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平成19年第 4回定例会-12月12日-02号
平成19年第 4回定例会−12月12日-02号

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  1. 熊本市議会 2007-12-12
    平成19年第 4回定例会-12月12日-02号


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    最終取得日: 2022-11-22
    平成19年第 4回定例会-12月12日-02号平成19年第 4回定例会   平成19年12月12日(水曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第2号                         │ │ 平成19年12月12日(水曜)午前10時開議              │ │ 第  1 質問                             │ └─────────────────────────────────────┘                              午前10時01分 開議 ○牛嶋弘 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ─────────────────────────── ○牛嶋弘 議長  日程第1「質問」を行います。  順次発言を許します。藤岡照代議員。          〔28番 藤岡照代議員 登壇 拍手〕 ◆藤岡照代 議員  皆様、おはようございます。公明党の藤岡照代でございます。  本日は、議員になりまして9回目の質問に立たせていただいております。初めてトップの質問であり、また、インターネット放送も本議会からが本稼働ということで少し緊張しておりますけれども、どうかよろしくお願い申し上げます。  現在、熊本市のまちづくりには課題が山積しております。例えば、築城400年後の熊本城の活性化をどうするのか、また富合町に続くさらなる合併、そして政令市への移行をどう実現するのか、さらには、平成23年春の九州新幹線全線開通への対応。  一方、教育や福祉の分野では、少子高齢化の問題を初め、いじめや不登校、子育てしやすい環境づくり、男女共同参画社会の実現など、まさに待ったなしの状況であります。三位一体改革の影響など、現下の厳しい財政状況の中であっても、現状を考えると、守りだけではまちはよくなっていかないのです。いかに地域経済を活性化させるかが課題であり、まさに市長の腹の据わった取り組みが求められているわけであります。  本年4月の統一選挙で、私自身、市民の皆様の真っただ中に飛び込んで、改めて実感をしたのは、「熊本市をもっと元気に」という市民の皆様の思いでした。そこで今回は、熊本市をもっと元気にする施策をお尋ねいたしますとともに、私のライフワークとする健康福祉の諸問題、諸施策などにつきまして、質問通告の順を一部変更して執行部のお考えをお聞きしてまいりたいと存じます。市長初め執行部の皆様の明快なる御答弁をよろしくお願い申し上げます。  まず初めに、行政改革についてお尋ねいたします。
     改めて申すまでもなく、地方分権の進展に伴って、自己決定、自己責任に基づくまちづくりが求められている中で、費用対効果や公と民との役割分担などを踏まえた事務事業のさらなる見直しを行うなど、これまで以上に行財政改革に努力をしていかなければなりません。  本市では、平成16年度に市政運営の基本指針となる市総合計画基本計画及び市行政改革大綱等を一体的に見直し、新たに、まちづくり戦略計画行財政改革推進計画を策定されたところであります。これらの計画の目標年次は平成20年度となっており、現在、第六次総合計画の策定に着手されておられますし、今後それにあわせて新たな行財政改革計画を策定されることになると思います。  これからの地方自治体には、単なる管理から経営感覚を持った運営が求められております。そこで、新行財政改革計画の策定に関し、行政評価システムの運用、組織機構の見直し、定員管理や給与など人事管理制度の見直しと適正化、アウトソーシングの推進など、これまでの取り組みの実績と評価を踏まえ、その基本的な考え方や方向について、幸山市長のお考えをお尋ねいたします。  続けて、具体的な取り組みとして協働化テストについてお伺いいたします。  さて、政府は昨年5月に市場化テストを導入いたしました。この市場化テストは、公共サービスについて行政と民間が対等な立場で競争入札を行い実施者を決める官民競争入札制度であり、価格競争で優劣を決めるものです。  この市場化テストとは別に、佐賀県や愛知県では、協働化テストと呼ばれる制度を導入しております。これは、新たな公共サービスのあり方や役割分担を構築しようという試みで、近年、我孫子市や杉並区などが取り組んだ自治体版市場化テストや事業仕分けなどの要素を取り入れ進化させたもので、提案型公共サービス改善制度とも呼ばれています。  この制度は、私たちなら公共サービスをこうやって提供するといった企業やNPO法人などの団体からの提案を募り、意見交換などを行いながら仕事をゆだねていくもので、県民と協働した公共サービスの充実を期しているのが特徴であります。  市民本位で社会情勢の変化に即応したサービスを提供し、あわせて市政改革を推進していくためには、市民との協働、民間活力の導入は不可欠な要素であり、自助、共助、公助の仕分けとの融合を図る上で、この協働化テストは大変参考になると考えるものです。この協働化テストの導入について、市長の御見解をあわせてお聞かせください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  行政改革に関します御質問にお答えをいたします前に、大変恐縮ではございますが、一昨日発生いたしました中部浄化センターの事故につきまして、少し御報告申し上げます。  この事故でございますが、私自身がその一報を受けましたのは、まさに一昨日、本会議提案理由の説明の直後であったわけでございますが、中部浄化センターの汚泥槽内のエアー配管の取りかえ作業を行っておりました際に、何らかの原因で汚泥槽内にたまっておりましたガスに引火し、槽内におりました職員3名が負傷したものでございます。  議員各位並びに市民の皆様には大変御心配をおかけしたところでございますが、現在、事故の原因につきましては関係機関等で調査中でございまして、事故原因が明らかになりましてから、その対策も含めまして改めて御報告させていただきたいと考えております。  それでは、行政改革に関します質問につきまして、2点お答えさせていただきます。  まず、これまでの取り組み等を踏まえました新行財政改革計画の基本的な考え方についてでございますが、平成16年度から取り組んでおります現在の行財政改革推進計画は、市民協働の推進や市民サービスの改革、組織風土及び組織機構の改革、公営企業の経営健全化や外郭団体の改革などを柱とするものでありまして、平成19年4月時点におきまして職員数は208名の減、経費効果は約130億円に上りまして、各種財政指標につきましても改善を見ますなど、おおむね順調に推移しているものととらえております。  しかしながら、地方交付税制度の改革など、国の行政改革は予想以上に大きな影響を及ぼしておりまして、その一方におきましては、本市の将来の発展に不可欠な政令指定都市の実現を初めといたしまして、九州新幹線鹿児島ルートの全線開業に伴います都市間、都市圏間競争への対応など、今後も積極的に取り組んでいかなければなりません。  こうしたことから、現在、新しい熊本づくりに向けた総合計画の改定に取り組みます一方で、重点施策などの着実な事業展開を支えますために、市民志向の質の高いサービスを提供する簡素で効率的な行政体制の整備と、そして財政の健全化を目標といたします新たな行財政改革計画を策定しているところであります。  その取り組みの方向でございますが、行財政改革の推進につきましては、継続的な取り組みが重要でありますこと、また、現在の計画におきまして、いまだ目標の達成ができていないもの、あるいは改善が進んでいない分野も残されておりますことなどから、新しい計画におきましても、現行計画の検証を行い引き続き取り組みを継続してまいりたいと考えております。  また、聖域を設けることなく、すべての事業や制度を対象に総点検を実施しておりまして、今後、市民志向、成果重視に加えまして、議員からも御紹介のございました民間活力の積極的な活用などの視点から改善を図ることといたしております。  そして、これらの取り組みによりまして、一層の総人件費の抑制を初めとする経費の削減等を図り、得られました行政資源を重点施策などに積極的に投入しながら、新しい熊本づくりを積極的に推進していきたいと考えております。  次に、協働化テストについてお答えいたします。  佐賀県が昨年度から実施しております協働化テストでございますが、県の全業務の内容を公開し、県民満足度を高めるこれからの行政サービスのあり方につきまして、県民や民間から広く提案を求める制度でございまして、公共サービスの見直しに当たり、有効な手法の一つであると認識をいたしております。  本市におきましても、現在策定中の計画におきましては、行政サービスの見直しにおきまして、必要性の薄れたもの、あるいは行政が行う必要がないと思われるものにつきましては、廃止あるいは民営化、さらには民間譲渡を図りますとともに、民間事業者からの提案制度につきましても、委託に当たりましての個人情報の保護や公権力の行使といった解決すべき課題もございますが、検討することといたしております。  今後、一層厳しくなる財政状況の中におきまして、多様化、高度化する行政ニーズに対応してまいりますためには、民間の能力やノウハウを積極的に取り入れながら今後も行政を経営する、そうした観点に立ちまして、効果的、効率的な市政運営に努めてまいりたいと考えております。          〔28番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  市長が今述べられましたように、本市では、行財政改革によります取り組みや緊縮型の予算編成を進めた結果、18年度の決算では、経常収支比率や公債費比率が三位一体の改革の影響などによって悪化はしているものの、市債残高は減少して、貯金となる財政調整基金も107億円に増加しております。これは財政健全化の取り組み成果であり、一定の評価はできるものと考えております。  問題は、これからの厳しい財政状況の中で都市経営をどう行っていくかであります。本市のまちづくりには課題が山積しております。市民のための新行財政改革をさらに推進していただくことをお願いいたしまして、次の質問に移ります。  公共工事の新入札方式「総合評価落札方式」の導入についてですが、この総合評価落札方式とは、従来の価格のみによる落札方式とは異なって、価格と価格以外の要素、例えば、初期性能の維持や施工時の安全性や環境への影響などを総合的に評価する落札方式であります。具体的には、入札者が示す価格と技術提案の内容を総合評価し、落札者を決定する方式です。  昨年、福島、和歌山両県で知事が逮捕される談合条件が相次いだことを受け、公明党の推進により、国や地方自治体で総合評価落札方式の導入を目指す動きが強まりました。  しかし、2006年度の導入状況を見ますと、都道府県が100%で政令市が67%なのに対しまして、市町村はわずか2%にとどまっています。都道府県に比べて市町村での導入がおくれている理由は、参加事業者を評価する体制が整っていないこと、さらに初期導入に経費がかかっていることによるとされており、国土交通省では、市町村が導入を検討する際の資料作成費用や導入を決定するために開く第三者機関の設置を支援する対策が本年度からとられました。ぜひこの機会に、本市でもこの総合評価落札方式を積極的に導入されてはいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。  次に、入札制度改革についてお伺いいたします。  公共工事をめぐる談合事件で県政のトップに立つ知事が逮捕されるなど、全国の地方自治体で不祥事が相次いでおり、こうした事態は、近年の地方分権という潮流の中で、国民の地方自治に対する信頼を著しく失墜させるものであり、許されない問題であります。  本市においても、市発注の下水道工事をめぐる最低制限価格の漏えいによる贈収賄事件が起こりました。これを受け、市は原因究明や入札制度の改善を探るための外部検証委員会を発足させ、先般、市長に対して報告書が提出されました。  今後、この報告書の指摘や提言を受けて、どのように公平で透明な入札システムに改革していかれるのか、また、市民に対する信頼回復にどのように対応されていかれるのかお伺いいたします。  続けて、指定管理者制度についてお伺いいたします。  指定管理者制度導入後、2年以上が経過いたしました。市民サービスの向上や事業の効率化、経費の削減効果がどのようにあらわれているのか気になるところであります。  業務内容を検証するためのモニタリング(監督)と評価がより公平、公正な立場からなされ、市民に対する情報公開が可能となるシステムとして構築されることが望まれます。  こうしたことを受けて、他都市においても、指定管理者に対する第三者評価制度を導入させました。この制度は、指定期間中に最低1回以上の第三者評価を行い、評価委員会の審議を原則公開として、市のホームページ上においても公開し、モニタリング・評価機能を果たそうとするものであります。  そして、この評価が権威的になるのではなくて、事業者や行政、利用者や専門家が、それぞれ異なる視点から評価を加えることによって、新たな気づき、新たな発見を見出すことが期待されております。公平、公正なシステムの構築と、よりよい指定管理者の育成、進化にもつながる制度として大いに期待されます。  そこでお伺いします。指定管理者制度の焦点が選定から評価へと移行する中にあって、本市もモニタリングを本年より導入したとお聞きしておりますが、評価をどのように行っているのか、今後の取り組みも含め具体策をお聞かせください。  さて、不祥事に関連しまして、本市の信頼回復と綱紀粛正についてお伺いいたします。  地方公務員の不適正な病気休暇取得などの問題を受け、総務省は、11月7日、都道府県知事と政令指定都市の市長に対し、地方行政や公務員への信頼回復に向け、綱紀粛正を求める通知を出しております。  公務員の飲酒運転などの不祥事にも触れ、対応策としては、公金の取り扱いや予算執行の適正化、情報公開の徹底、監視機能の強化、公共工事の入札・契約の透明性、公平性の確保、飲酒運転の根絶、不祥事の再発防止のための体制確立などを求めております。  本市におきましては、たび重なる職員の不祥事に対して、管理職研修や職場研修などで意識改革を目指していると聞いておりますが、市民に対する信頼回復のために、さらに具体的にどのように取り組まれるのか、総務局長のお考えをお聞かせください。          〔寺本敬司総務局長 登壇〕 ◎寺本敬司 総務局長  私の方から行政改革について4点お答えします。  まず、総合評価落札方式の導入についてお答えいたします。  総合評価落札方式につきましては、第1に、価格と品質がすぐれた調達によって優良な社会資本が整備でき、第2に、建設業者の技術力向上の意欲を高め、建設業者育成に貢献し、第3に、不適格業者の排除や談合防止にも一定の効果があるなどと言われているところであります。  しかし、一方では、価格という客観的数値に対し、品質の評価は主観的となるおそれがあること、また、学識経験者の意見を聞きながら進めるため、契約決定に時間がかかる課題があると言われております。  そこで、本市といたしましては、現在その試行に向けて対象となる工事の選定等の準備を進めているところでございます。その中で、効果、課題などについて検証していきたいと考えております。  2点目の入札制度改革についてお答えします。  入札制度改革につきましては、下水道工事をめぐる職員の贈収賄事件を受けて、入札の公平性、信頼性を確保することを目的に設置しました熊本市入札事務検証委員会から、去る12月7日に、市長へ検証結果と改善点についての報告書が提出され、設計事務や入札事務に関する御提言をいただきました。  まず、設計事務に関しましては、①工事に係る設計内容の問い合わせ及び回答は、課の電子メールやファクス等で行うこと、②設計担当者心得作業マニュアルの作成及び職場ごとの研修を実施すること、③倫理研修による職員の意識啓発を徹底すること、④設計図書等重要書類保管を徹底すること、⑤利害関係者に対する職場の対応を徹底することの5点でございました。  設計事務に関しましては、すべての設計事務に携わります職員を対象といたしまして、設計担当者心得及び作業マニュアルを文書化し、毎年度、異動後速やかに職場ごとの研修を実施するともに、執務室内への入室制限、設計図書等の保管管理の厳格化を指示し、徹底を図ってまいります。  また、入札事務に関しましては、①入札等監視委員会を設置すること、②指名停止の強化を図ること、③入札前の最低制限基準額等の公表について検討すること、④入札制度が変更になる場合は、設計部門等の関係者に周知徹底することの4点でございました。  まず、入札等監視委員会につきましては、入札契約手続の運用状況、入札談合、その他の不正行為に係る対応を報告し、問題がないかの検証を行う学識経験者からなる常設の委員会を立ち上げたいと考えております。  次に、指名停止の強化につきましては、入札事務において、贈賄及び不正行為等に関するペナルティを強化するため、違法・不適正な行為をした業者への指名停止期間を延長する措置を検討しているところでございます。  また、最低制限基準額等の公表につきましては、事前に公表した場合の長所、短所を十分検討したいと考えております。さらに、関係者への周知徹底につきましては、文書のみで済ませることなく、説明会、研修会等を開催し、十分な理解に努めたいと考えております。  いずれにいたしましても、指摘された提言を真摯に受けとめ、公平性、公正性が確保され、より透明性の高い入札契約制度を確立して、市民の皆様の信頼回復に向け全力で取り組む所存でございます。  3点目として、指定管理者の評価についてでございますが、御案内のように、指定管理者制度は、公の施設の管理運営について民間事業者の能力やノウハウを活用することで、より質の高いサービスを提供しようとするものでございますが、その運用に当たりましては、サービスが適正に、また確実に提供されているかなどを監視する、いわゆるモニタリングが重要であります。  このようなことから、本市では、サービスの質の維持向上や安全性の確保を図るため、そのモニタリングとして指定管理者による自己評価や利用者アンケートの実施、また、市の職員が現地で業務遂行状況を調査、必要に応じて改善の指導・指示などを行う仕組みを構築し、ことし4月から全施設に導入したところでございます。  このモニタリングの結果も踏まえた指定管理者の評価につきましては、本年度から開始したことから今期事業終了後を予定しておりますが、指定管理者から提出される事業報告書も参考としながら、まずは本市で評価を行いたいと考えており、議員から御紹介がありました第三者評価につきましては、今後研究させていただきたいと存じます。  最後に、公務員の服務規律と職員の意識改革についてでございますが、これまでは職員の倫理観の向上のために、倫理研修の実施、それに加え職場内での研修、あるいは庁議等を通じて行ってまいりました。  しかし、今回は市政を根幹から揺るがす事件も起き、市長が申しましたように、現状がまさに緊急事態でもあることから、まずは職員が今の状況をどう認識しているかなどについて全職員から文書で意見聴取を行い、みずから考える機会を持ってもらったところであります。  また、今回、贈収賄事件が起きたことを踏まえ、本市職員と事業者との関係のあり方を規定した熊本市職員倫理条例の制定について検討しており、加えて、若手・中堅職員で構成するグループで、どうすれば市職員が高い倫理観を持ち、みずから考え行動できるかといった課題の整理を行っているところであります。  さらには、総務省からの通達や他の自治体の事例などを参考にして、職員が持つべきモラルや行動基準等を総合的かつ具体的に規定した市職員の行動規範なるものをつくり、これをもとに職員研修していくことができればと考えているところであります。  一方、本議会に予算をお願いしております内部通報制度の相談窓口を外部に設けることで、より不祥事の未然防止等の対策になるような取り組みもしているところでございます。  以上のように、職員の服務規律の徹底と職員の意識改革のためにあらゆる手段を講じて、職員1人1人の意識に働きかけ、二度と不祥事を起こさない、起こさせないという決意で取り組み、一日も早く市民の信頼を取り戻せるように努力してまいりたいと考えております。          〔28番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  ありがとうございました。総合評価方式においては、現在試行中とのことで、さらに具体的に準備を進めていただきたいと思います。  入札制度につきましては、熊本市の入札事務検証委員会から具体的に提言をいただいておりますので、透明性の高い入札契約制度で、市民の皆様に対して信頼回復に取り組んでいただきたいと思います。  また、一般に指定管理者による運営は、利用時間の延長など施設運営面でのサービス向上で利用者の利便性を図るもので、この制度に対しても市民からどのような反響が寄せられているのか聞きたいところでもあります。  今後も指定管理者に対して、計画や変更などの予定が出てくることだろうと思いますが、どのような目線でモニタリング評価をしていくのかが大事でもありますので、しっかりとした対応をよろしくお願い申し上げます。  職員の服務規律と意識改革につきましては、具体的な市職員の行動規範が策定されるとのこと、選ばれてきた職員の皆様でありますので、どうかみずからの意識により人間的向上を求めたいと思います。  それでは、次に経済振興に移らせていただきます。  観光と経済の活性化についてでありますが、我が国の国内観光市場は、1990年代末から縮小傾向が続いており、2004年度には、国内宿泊観光旅行者数が1億5,100万人と、ピーク時(1991年)の約70%の水準に落ち込んでいます。団塊の世代の大量退職に伴う増加は予想されるものの、総人口は減少に転じており、大きな伸びは期待できないのが現状であります。  また一方、外国人の訪日観光は着実に増加し、韓国、台湾、香港からの訪日ビザ制度の緩和や2003年から始まったビジット・ジャパン・キャンペーンの効果により、昨年は対前年比9.0%増の約733万人と過去最高を記録しております。  ビジット・ジャパン・キャンペーンでは、2010年までに訪日観光客を1,000万人とすることを目標としており、官民挙げての一層の取り組みの強化が求められております。ここでかぎを握るのがアジアであります。経済成長に伴う都市部の富裕層の増加によりまして、今後はさらに伸びることが期待されております。  山梨県富士河口湖町では、観光地の活性化に取り組む民間活動を支援する国の制度「観光ルネサンス補助制度」を利用して、ハーブ公園の改修や外国語によるアナウンスを実施し、さらにはアジアへのキャラバン(宣伝のために各地を回る)なども強化しております。  これによって、2003年に約10万人だった外国人観光客は、2006年には約17万人へと増加して、外国人旅行者を意識した取り組みの効果が具体的にあらわれたケースでもあります。  これまで何人もの議員提案があっておりますように、何よりも熊本の魅力を高めて発信をしていくことが不可欠であり、魅力ある熊本市づくりや海外への発信が行政の役割だとすれば、アジアへのキャラバン(宣伝のために各地を回る)なども強化しなければならないと思います。  一方で、外国人観光客にやさしいまちづくりは自治体の課題でもあります。外国人向けの案内所や案内表示などが少ないのも課題の一つではないでしょうか。手軽に日本の観光が楽しめる質の高い観光サービスの提供も求められており、観光客が快適に楽しく旅行できるよう一層の取り組み促進が求められております。  そこで、本市の外国人観光客誘致の取り組みについて具体的にお聞かせください。  ところで、国土交通省は、2009年度に観光庁を新設する方針を決めております。観光立国への実現へ向けて推進体制を強化し、外国人旅行者の誘致や魅力的な観光地を整備するなど、観光振興を足がかりにした地域再生に弾みをつけようという試みであります。同庁の新設によって、縦割り行政の打破やスピード感のある効率的な観光行政の展開が期待されていますが、本市でも観光推進体制の強化が望まれます。お考えをお伺いいたします。  関連しまして、海外市場に向けた取り組みについてお尋ねいたします。  観光で人を呼び込むだけではなく、本市の物産や製造品をも海外へ広げていくべきだと思います。  先月、本市において、九州と中国、韓国の関係者が一堂に会して、環黄海圏域における人材・研究等の産学連携による交流の促進などを目的に、第7回環黄海経済・技術交流会議が開催されました。この会議は、東アジア地域経済圏の交流を図るために、3カ国の経済団体や大学、行政機関が参加し2001年から各国持ち回りで開催されており、今回は、貿易や環境保全、人材育成などで、九州、中国、韓国間の交流、協力関係を拡大していくことが確認されました。  会場では、県内約30社が物産、観光展に出展し、中国の観光、物販業者との商談なども行われており、地場商品のPRにもよい機会になったと思います。また、本市は、ことしの夏に香港で開催された国際食品見本市にも出展されるとともに、現地企業などとの商談会を開く経済ミッションを派遣されました。この派遣事業では、有機野菜や調味料の製造・販売をする地場企業が現地企業との商談を成立させるなど、手ごたえのある成果があったとお聞きしております。特に、経済成長が著しいアジア諸国では見過ごせない市場となりつつあり、大企業はもとより、地場企業にとってもグローバル化を促進するチャンスであると思います。  私は、このように頑張っている地場企業を見ると頼もしくもありますし、本市の活性化のために、観光振興による人の交流とあわせて、熊本ならではの物産振興も含めて、国内外への販路を開拓し輸出をふやすような物の交流も大変に重要であると考えます。今後ますます他都市や地域でも海外市場を視野に入れた取り組みが活発になると考えられますが、特に中小企業が多い本市における海外市場への取り組みの位置づけと今後の方策についてお考えをお伺いいたします。  あわせて、本市では、平成16年度に地域経済活性化プログラムを策定し、経済の重点施策の中でも喫緊の課題として対応され、プログラムに従った各分野の施策の中には既に実現している事業もあり、その点では評価もしております。  しかしながら、私が今まで述べたような海外の市場開拓などの取り組みがこのプログラムでは乏しいように思います。私は、今こそ活性化のためには、海外にもっと目を向けることが重要であると思います。熊本を海外に売り出していくような取り組みを今後プログラムに位置づける必要があると考えますがいかがでしょうか。経済振興局長のお考えをお尋ねいたします。          〔岡本安博経済振興局長 登壇〕 ◎岡本安博 経済振興局長  観光振興と地域経済活性化の2点についてお答えいたします。  まず、外国人観光客誘致の取り組みと観光推進体制の強化についてでございますが、本市への外国人観光客は、韓国、中国、台湾などの東アジアからの観光客が大きな割合を占めております。このようなことから、これまでこれらの国々で開催される主要観光展への出展や現地におけるセールス、また、観光、マスコミ、教育関係者などの招聘事業を実施し、知名度の向上と観光客の誘致に取り組んできたところであります。  その結果、本市への平成18年の外国人観光客入込数は約33万2,000人となり、前年に比べ60%の増加。また、宿泊者数も約5万2,000人と、21%の増加となっております。東アジアからの観光客は、経済の発展などの好条件に後押しされ、これから先も増加が見込まれております。これらの地域での誘致活動は大変重要であると考えております。  そこで、今後は、新たに韓国の旅行代理店への観光情報のメール配信に取り組むほか、中国、韓国での観光大使の積極的な活用や他都市との広域連携による観光PRに努め、なお一層の誘致活動を展開してまいりたいと考えております。  また、外国人観光客の受け入れ体制の整備につきましても、4カ国による観光ホームページやパンフレット等による情報提供、熊本城周遊バスにおける案内、さらに宿泊施設での電話通訳サービスの提供などに取り組んでいるところでありますが、御指摘の主要な観光地や中心市街地にある観光案内板等につきましても、計画的に整備に努めてまいりたいと考えております。  次に、観光推進体制の強化についてでございますが、平成17年度にそれまで熊本国際観光コンベンション協会で実施しておりました火の国まつりを本市に引き継ぎ、協会本来の業務でありますコンベンションの開催と観光客誘致の強化を図ってきたところであります。その結果、本市でのコンベンション開催件数は、平成17年の289件から平成18年は340件へと増加するなど、一定の効果が上がっているところであります。  今後は、コンベンション協会との適切な役割分担のもと、さらなるコンベンションと観光客誘致機能の強化を図る一方、関連団体、民間とも連携を密にしながら観光振興に努めていきたいと考えております。  続いて、2点目の地域経済の活性化についてお答えいたします。  経済のグローバル化が進展する中、特にアジア諸国は今後も拡大が見込める有望な消費市場となりつつあります。したがいまして、アジア諸国への進出を促進させる取り組みは、地場中小企業にとりましても、新たな販路を開拓するという観点から、有効でニーズも高い重要な施策であると認識しております。
     このような中、積極的に海外への進出を始めている地場企業も一部ございますが、一方では、習慣や制度等も違うためリスクも多く慎重な企業が多いのも事実であります。そこで、御紹介いただきました香港への派遣事業に際しましては、ジェトロ、香港貿易発展局や現地事情に精通した商社などからの情報提供をもとに事前準備を行うとともに、既に海外進出に成功している熊本市の企業の協力もいただきました。加えて、行政機関である本市が窓口となることで現地関係者の信頼も得られ、多くの交流もできたことが商談成立に至るような成果につながったものと考えております。  このように海外に向けた販路拡大の取り組みでは、関係者の連携と信頼できる体制づくりが重要でありますが、これは一朝一夕にできるものではございません。そこで本市としましては、一過性ではなく、継続的な取り組みとして今後とも関連機関との連携を深めて情報等の提供や見本市への出展助成など、実効性のある支援を行ってまいりたいと考えております。  また、地域経済活性化プログラムにつきましては、策定から3年が経過し、政令指定都市への移行や間近に迫る九州新幹線全線開業への対応など、本市における活性化の課題も変化してきております。  そこで、御指摘のような海外等の地域外市場を見据えた取り組みにつきましてもプログラムに位置づけして、刻々と変わる経済環境に柔軟に対応しながら、今後も地域経済の活性化に取り組んでまいりたいと存じます。          〔28番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  私も熊本城が築城400年ということで、何度か熊本城に足を運んでおりますが、確かに、韓国を初め外国からの観光客はふえているように思います。そのようなことから、誘致活動に加えて、おもてなしの心を持って外国人観光客を受け入れていただきますようお願いしておきます。  また、現在、桜の馬場の整備計画が検討されているようですが、私も、平成15年第3回定例会で、熊本城での滞留時間を伸ばすためにも、桜の馬場にPFI事業により歴史資料館や物産館を整備したらどうかという提案をさせていただいておりました。桜の馬場の整備に当たっては、熊本城を訪れた観光客の方々の印象に残る、例えば、建物を江戸時代の町屋風にするとか、町娘の格好で接客するとか、江戸時代にタイムスリップしたような雰囲気が味わえるような場所にすると、お客さんにも大変喜んでもらえるのではないでしょうか。  あわせて、熊本城のすばらしさを感じてもらうために、私なりにおすすめの散策コースを少し提案させていただきたいと思います。  桜の馬場駐車場に車をとめ、櫨方門を通って竹の丸に出ると、壮大な石垣の向こうにそびえ立つ熊本城を眺めることができます。竹の丸には、肥後六花園もあって、季節によってはその花を観賞することもできます。左手に今回復元された飯田丸五階櫓を眺めながら石段を上り進むと石垣の間に小道が登場いたします。石段を上り切ると飯田丸に出ます。そこには梅園が広がり、右手には2つの異なった石積みが興味をそそる二様の石垣があります。そびえ立つ石垣に武者返しを実感し、飯田丸五階櫓を見学して、さらに奥の石段を上り詰めると、当時は来客者の待合所であったと言われる特異な石組みの地図石を見ることができます。数寄屋丸、宇土櫓、そして天守閣と、城のすばらしさを十分に満喫した後、帰りは頬当御門を通って、行幸坂の桜並木を楽しみながら桜の馬場へと戻ってまいります。  これが私のおすすめのコースですが、例えば、頬当御門を出た西出丸あたりで緋毛氈を敷いたバンコ台に腰掛け、城を眺めながら一服お茶を飲むこともできるちょっとした立ち寄りどころでもあれば、熊本城のよさがまだまだ満喫できるのではないかと思います。  行幸坂については、現在は歩道が比較的狭いので歩きやすいように整備する必要があるのではと感じておりますが、このコースは市民にとっては散策や憩いの場として、観光客の方々には心に残るお城としても印象づけられるのではないでしょうか。  また、これは市民の方の要望として、熊本城の「蘇る名城くまもと市民債」を申し込んだんだけれども、熊本城で自分の名前の名板をどうしても見つけることができないというお話を伺っております。ぜひ桜の馬場の整備にあわせて検討していただければと思います。  また、局長が先ほど述べましたように、海外進出に対しましては、行政機関が窓口となって現地との商談成立にも力を注いでいるとのこと、これからの観光物産の取り組みは職員の皆様の一念にかかっていると思いますので、自分の会社との思いで、責任感を持って経済振興局1人1人の意気込みに私は期待したいと思っております。  引き続きまして、経済振興策に関して、中心市街地活性化の問題についてお尋ねいたします。  熊本駅前東A地区再開発事業についてでありますが、改めて申すまでもなく、熊本の陸の玄関である熊本駅の周辺整備は、中心市街地のみならず本市全体の活性化に大変重要な事業であります。  現在、平成23年の全線開業に向けて急ピッチで関連工事が進んでおり、新幹線熊本駅舎のデザインも決定するなど、着々と事業が進められているようでございます。  このような中、駅の正面玄関に当たる東A地区においては、市街地再開発事業によって、熊本の文化や歴史、観光や生活などさまざまな情報を発信する「知の拠点」情報交流施設を核とした熊本駅にふさわしいにぎわいと交流の拠点施設が整備されることとなっております。この事業は、本年4月に事業提案競技により建設業務代行者が決定し、現在その提案に基づき計画が進められていると聞いております。  そこで、現在策定中の事業計画はどのようになっているのか、また、その計画の内容は、市長がこれまで抱かれてきた期待に沿ったものになっているのか、率直な感想も含めてお聞かせください。  また、一方では、用地交渉や事業に参加される権利者との調整も思うように任せない状況であるようにも聞いております。もしそうであれば、平成23年春の九州新幹線鹿児島ルートの全線開業に間に合わないのではないかと危惧しております。  そこで、現在の状況と今後の対応について市長のお考えをお聞かせください。  引き続き、中心市街地に関し、産業文化会館のホールの取り扱いについてお尋ねいたします。  本年5月に国の認定を受けた中心市街地活性化基本計画の目玉事業として、桜町・花畑地区の2つの民間再開発事業が計画されております。私はこの事業に大いに期待しておりますが、一つ気になることもございます。  それは市の産文ホールのことであります。この開発計画の中にある産業文化会館については、施設の老朽化に伴って来年3月をもって閉館すると聞いています。しかし、産文ホールは交通センターと市電辛島町電停に隣接しており、交通の便もよく、収容人数も約700名と、とても使い勝手もよく、これまで多くの人に利用されており、現在でも稼働率が高いと聞いております。  そこでお尋ねですが、このホールについて今後どのようにお考えなのか、また、現在の検討状況はどうなっているのか、将来計画も含めて経済振興局長より具体的にお答えいただきたいと思います。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  私の方から中心市街地の活性化に関連しました熊本駅前東A地区再開発事業に関する御質問にお答えさせていただきます。  熊本駅周辺地域の整備でございますが、平成23年の九州新幹線鹿児島ルート全線開業を迎えるに当たりまして、熊本の玄関口を整備するというだけではなく、政令指定都市の実現、あるいはますます激しくなることが予想されます都市間競争に対応するためにも取り組むべき緊急かつ重要な事業であると考えております。  中でも、御質問の東A地区市街地再開発事業につきましては、新たな魅力ある熊本駅周辺地域のまちづくりの牽引役として、熊本駅周辺地域のにぎわい創出と情報発信並びに交流の拠点施設を整備するものでございますが、中心市街地のにぎわいづくりや九州における拠点性の向上にも大きく貢献できるような施設にしたいと考えております。この再開発事業計画の現段階での取りまとめの概要でございますが、延べ床面積は約5万2,000平方メートルでございまして、熊本駅の正面に地下駐車場を併設いたしました5階建ての情報交流施設棟と屋上庭園が整備されます3階建ての商業業務棟、その奥の坪井川沿いに35階建ての住宅棟、以上3棟を建設する計画といたしております。  また、駅前交流広場から坪井川の水辺広場までは、にぎわいを創出する中庭空間として整備いたしますことや熊本駅前広場からペデストリアンデッキで建物2階部分をつなぐことによりまして、回遊性を確保することも計画いたしておりまして、私といたしましては期待しておりましたとおり、魅力と活力にあふれ、熊本の玄関口にふさわしいシンボリックなものができるものと考えております。  なお、総事業費でございますが、情報交流施設の整備費も含めまして、200億円程度になるものと見込んでおります。  次に、用地取得の状況等につきましては、権利者の方々の御理解や御協力もございまして、現段階におきまして買収予定面積の約62%を取得いたしております。権利関係で時間を要する物件もございますが、今後も引き続き権利者の皆様の御理解をいただきながら、今年度内には取得のめどをつけたいと考えております。  また、残留される権利者とは、おおむね床の配置についての合意形成を図ることができておりますので、今後、再開発施設がさらに魅力あるものになるよう協力して取り組んでまいりたいと考えております。  今後の事業の進め方につきましては、年明け早々までには基本設計を終え、その後、今議会で予算の増額を提案しております実施設計や管理処分計画の策定に着手いたしますなど、計画の具体化に取り組みまして、平成20年度内に本体建設工事に着工したいと考えております。          〔岡本安博経済振興局長 登壇〕 ◎岡本安博 経済振興局長  産業文化会館のホールについてお答えいたします。  産業文化会館は、築後26年が経過し設備の老朽化が進んでおりますが、特に空調設備機器の劣化が著しく数年前から不具合が見受けられ、この夏も大事には至らなかったものの、数回にわたりこのようなことが発生しております。          〔議長退席、副議長着席〕  これを改善するには、大規模な改修工事が必要ですが、再開発構想がある中での工事の実施には慎重な対応が必要と考えております。このため、今年度は小規模な修理を行いながら運営している状況であります。  しかしながら、この状態で今後もホールの利用を継続していくことは、安全性や快適性の確保といった問題に加えまして、仮に不測の事態が生じました場合は、利用者の皆様方に大変な迷惑をおかけすることから、来年3月末をもって利用の停止を決定したものであります。  しかしながら、産業文化会館のホールは、その規模、機能等から、多種多様な御利用をいただき、利用者は年間15万人を超え、コンベンションや市民の文化振興とともに中心市街地の活性化にも大きな役割を果たしております。そういうことから、同規模のホールは必要であると認識いたしております。そこで、中心市街地における新たなホールにつきましては、先月、関係部局による検討会議を設置し、規模や機能等について検討を進めているところであります。          〔28番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  産文会館につきましては、市民の文化振興とともに中心市街地の活性化にも大きな役割を果たしております。新たな整備計画については、検討会議を立ち上げて、今後、規模や機能について具体的に検討されるとのことですが、本市においてもホールの活用のあり方を全市的に改めて検討するべきではないかと思います。  改修が済んだ市民会館におきましては、収容人数が1,591座席であり、また、市民の皆様の声として聞こえてくるのは、全国大会など大規模なイベントの誘致ができないということであります。2,000座席ほど確保する利便性のよいホールが乏しい、人口規模の小さな他県においても2,000座席が2ホールあるところもあるのに、なぜ熊本にないのでしょうかということであります。  文化芸術の活性化とともに経済の活性化につながることですので、20年、30年、50年後を見据えた検討をお願いいたします。また、検討委員会が立ち上げられていますが、知恵は現場にありで、必ず現場の方の声を生かす検討をしていただくことを要望しておきます。  それでは、次に教育行政についてお尋ねをいたします。  今議会において、子ども未来局創設に伴う組織改正条例案が提案されております。私ども公明党市議団は、次代の熊本市を担う子供たちの成長支援を最重要政策の一つに掲げており、子供たちの健やかな成長を社会全体で支える仕組みづくりには担当部署の一元化が必要であると、一般質問等を通じ、その実現を強く求めてきたところでございます。  このようなことから、今回の市の判断を高く評価するものでありますが、と同時に、新たに設置をされる子ども未来局においては、特に学校教育を所管とする教育委員会との連携が極めて重要になると考えておりますので、この場をおかりいたしまして、子ども未来局を中心とした市長事務部局と教育委員会とのさらなる連携強化について要望しておきます。  それでは、教育行政に関し、本市の特別支援教育についてお伺いいたします。  小中学校等に在籍する教育上特別な支援を必要とする障害のある児童・生徒に対して、生活や学習上の困難を克服するための特別支援教育がことし4月から全国で始まっております。  従来の特殊教育で対象としていた視覚障害や聴覚障害、知的障害などに加えて、発達障害も特別支援教育の対象として位置づけられた点は、教育関係者からも高く評価されております。発達障害は、学習障害、注意欠陥多動性障害、高機能自閉症などの総称です。周辺とうまく意思疎通ができない、関心に強い偏りがある、発達段階に応じた注意力が備わっていないなどが特徴であり、単なる性格や人柄とは異なり、先天的な脳機能障害が原因とされ、いじめの一因となっているとの指摘もあり、その対応が喫緊の課題となっております。  さて、滋賀県野洲市では、1人1人に応じた適切な学習指導や生活指導ができるように、授業中の様子を観察し、担任の先生へ具体的なアドバイスを行う巡回指導員、保護者の理解と協力を得ながら家庭での様子を聞いたり、各種の心理検査を実施する心理判定員を新たに配置したりと大変喜ばれていると聞いております。  また、文部科学省は来年度にも、発達障害児の教育的支援のために専門家や教材などの情報提供や教員研修用の講義などをホームページで配信したり、発達障害に関する理解啓発を行う発達障害教育情報センターを新設し、学校や保護者を支援する予定でもあります。本市においてもこれらの取り組みに見られるような総合的な教育支援体制づくりが求められているのではないでしょうか。当局の考えをお聞かせください。  また、発達障害を持つ子供さんの割合は約6.3%程度と言われておりますが、保護者の方々にとっては、いよいよ小学校という集団の中へ我が子を送り出される不安や心配には大変なものがあると考えられます。その不安や心配にこたえるためにも、小学校入学時の対応が大切であると考えます。各学校長が入学前に情報をいち早く察知し、保護者との面談などを実施したり、親の悩みにも相談に乗ることが必要であると感じます。  そこでお尋ねいたしますが、本市においては、就学時の相談の現状はどのようになっておるのでしょうか。あわせて、熊本市の特別支援教育の総合的な体制整備の状況及び就学時の相談体制の現状と今後の拡充についての御見解をお聞かせください。  引き続き、教育問題についてお尋ねいたします。  本市教育委員会におきましては、国におけるさまざまな教育改革を先取りするように多様な施策が展開され、多くの成果を上げておられます。私が、今日、本市の教育改革の原動力として期待し、また、実際に先進的な取り組みを続けている機関の一つに熊本市の教育センターがあります。本センターは、昭和26年に教育研究所として発足し、62年、現在の場所に教育センターとして設立されたものです。  この20年間で、教育相談、文献の刊行、適応指導教室、教育情報ネットワーク事業等、さまざまな新規事業を展開してこられました。さらには、中核市への移行に伴い、初任者研修や10年経験者研修などの法定研修の委譲、また、少人数学級等の導入に伴う授業改善事業等、年々その機能が拡大してきていると聞いております。  その業務内容について私が調査しました状況を紹介させていただきますと、教育相談に関する業務では、昨年度、来所、電話をあわせて、延べ5,667件の相談に対応しております。伺いますと、月に1回土曜日に実施されております相談会では、今年度の予約は既にいっぱいになっている分野もあるそうです。また、教職員や保護者などに対する研修には年間約7,000人が参加しており、さらに教職員の研修意欲にこたえるためにも、土曜日や平日夕方の時間帯などの研修も充実してきていると聞いております。  近年、教育センターが備えた機能として、教育情報ネットワークの構築及び管理が挙げられ、その業務につきましては、以前、公明党市議団も視察を行ったところでございます。  このように本市の教育行政になくてはならない教育センターですが、ほかの自治体の状況、特に県の動向を見てみますと、教育委員会内の研修業務を一本化するなど、組織や機構改革が進行してきております。さらに政令指定都市が実現すれば、現在は県が実施している指導力不足教員を対象とした研修、これは改正教育公務員特例法では必ず実施をしなければならないそうですが、このような新規業務の増加も想定されます。  今後、教員の指導力の向上など、教育センターが担う役割はますます重要になってくると思います。しかしながら、本市教育センターの現状を見ますと、実技関係の研修施設や不登校の子供たちのための活動の場が不足しております。さらに、駐車場の狭さなど施設面の課題に加え、多くの業務を遂行するための人員確保などの課題も山積しております。  そこで、これまで触れてまいりました使命に見合う機関として、移転を含め施設の拡充が必要であると考えます。今後の教育センターのあり方について、教育長のお考えをお聞かせください。          〔小牧幸治教育長 登壇〕 ◎小牧幸治 教育長  教育行政についての2点のお尋ねに順次お答えいたします。  1点目の特別支援教育についてお答えいたします。  まず、総合的な体制整備の状況についてでございますが、本市では、平成17年度から文部科学省の特別支援教育体制推進事業の推進地域の指定を受けまして、各学校や地域における支援体制の整備を継続して図ってまいっております。  その中で、特別支援学校の先生方には巡回相談員として各学校へ直接出向いての支援をお願いしたり、大学や療育の現場などで活躍されております臨床心理士など高度な知識や経験をお持ちの方には、専門家チーム委員をお願いして、各学校や地域の実情に応じた具体的なアドバイスをいただくなど、重層的な支援体制を構築いたしております。  また、本市では、教育センターに教育相談部門を設置し、必要に応じて対象児童・生徒に対しまして発達に関する検査・評価を行ったり、月1回のピアサタデー教育相談会におきましては、医師や臨床心理士、言語聴覚士等の専門家による相談も行っております。  しかしながら、これからの特別支援教育につきましては、議員御指摘のように、さらに総合的な支援体制を充実させる必要がありますので、健康福祉局のこどもの発達相談室や、来年4月に開設予定の子ども発達支援センター等の関係機関との連携をより一層深めてまいりたいと考えております。  次に、就学時の相談体制の現状についてでございますが、本市では、発達障害を含む障害のある児童の就学に際しましては、学校や教育センター等が保護者の方からの相談窓口となっております。  そのうち教育センターでは、来年度の小学校入学予定児童について、本年11月末現在で、来所248件、電話で466件、延べ714件の相談を受けているところでございます。その際、児童の状況、保護者の悩み、要望や希望の就学先などを十分に把握し、学識経験者、医療関係者、教育関係者等で組織されております熊本市就学指導委員会にお諮りをしまして、専門的な視点から御意見をいただいております。  その結果を受けまして、保護者、学校と協議を重ね、就学先の決定を行っており、今後も保護者の悩みや要望に十分配慮をしながら児童の適正な就学に努めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の今後の教育センターのあり方についてお答えいたします。  「教育は人なり」と言われますように、学校教育の成否は、その直接の担い手であります教職員の資質や能力に負うところが大きいと考えております。そのため、優秀な教職員を育成することは教育行政上の重要な課題であり、教職員の資質や指導力の向上を目的とした研修の重要性はますます高まってきております。  この研修に関しまして、中核的な役割を担う機関であります教育センターは、議員御指摘のような施設面などの課題を抱えながらも、現在の施設や人員を可能な限り生かしまして研修成果を上げてきているところでございます。  今後もこれまで以上に教育センターの事業成果が上がるよう講座運営や学校支援のあり方など、さまざまに工夫していきたいと考えております。教職員が気軽に相談や研修を行うことができる環境を整備しますとともに、教育相談やネットワークの運用管理等につきましても、さらに機能を充実させてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、政令指定都市の実現を視野に入れながら、施設を初め組織・機構など、新しい教育センターのあり方につきまして継続的に研究していかなければならないと考えております。          〔28番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  特別支援教育の総合的な体制整備については、重層的な支援体制ができて、今年度から専門家による相談もできるようになったことは高く評価をするものです。こどもの発達相談室の新たな体制の中でも、さらに総合的な支援体制も充実していただきたいと思います。  また、政令市を視野に入れた場合には、教育センターの担う役割は本当に重要であると認識しておりますので、今後の教育センターのあり方については、総合相談所の機能は現在地に残していただき、手狭になっている研修研究室については、新たな施設の検討もぜひ必要だと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。  それでは、次に、私がライフワークといたします保健福祉について質問をさせていただきます。高齢化の急速な進展に伴って、病気の構造も変化してまいり、疾病全体に占めるがんや虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病などの生活習慣病の割合が増加し、死亡原因でも生活習慣病が約6割を占めて、医療費に占める生活習慣病の割合も国民医療費の3分の1にまでなっております。  生活習慣病の中でも予備軍が増加しており、また、その発症前の段階であるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる者と、予備軍と考えられるものをあわせた割合は、男女とも40歳以上が高く、男性では2人に1人、女性の5人に1人の割合に達しております。  このため、早目に健康診断を受けることが最も重要であり、受診しやすい健診体制の整備が喫緊の課題であり、また、運動習慣の徹底や食生活の改善、適正体重の維持など、若いときから生活習慣病を予防し、改善をする知識の普及と具体的な実践が必要であります。その結果、中長期的には医療費の増加を抑えることにもつながり、私は一番重要な課題だと思います。  こうした考え方に立ちまして、今回の医療制度改革において、老人保健法が改正された高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、国及び都道府県に対して医療費適正化計画の策定が義務づけられるとともに、市町村の国保を初め、各医療保険者に対しては、本年度中に特定健診など実施計画を策定した上で、来年度からの特定健診や特定保健指導の実施が義務とされたところであります。  このため、本市の国民健康保険においても、特定健診、保健指導を実施することになりますが、本市ではこのほかにも、がん検診や一般的な健康相談や健康教室、健康くまもと21など、健康増進法に基づくいろいろな取り組み、介護保険法による介護予防事業もあり、類似の事業がそれぞれの根拠法に基づいてさまざまに実施されているのが現状です。  しかし、これらはすべて市民の健康の保持増進にかかわることであり、それぞれの法律に基づき各担当課がばらばらに実施していたのでは、本当の効果は上がらないのではないかと私は危惧するものです。今年度は、この特定健診等実施計画の策定のほか、第5次地域保健医療計画の策定、健康くまもと21基本計画の見直しも予定されており、このほかにも健康福祉局が所管いたします多くの計画がありますが、その実効性はどうでしょうか。また、相互の連携は確保されているのでしょうか。  健康な人が病気になるというのは、本人のQOL(生活の質)ばかりではなく、家族全体の生活の質、生活そのものにかかわる事柄でもあります。行政においても、単に医療制度や医療費だけの問題ではなく、その人の状況によって生活保護、介護保険、障害福祉など広範な分野に直接関係してくる問題でもあり、私は市民相談の中でいろいろな壁にぶつかり、これは何とかしなければならないなといつも思っておりました。  今回の制度改正を契機として、熊本市として、総合的、体系的な健康づくり施策の構築を急ぐべきだと思います。法律と法律、担当課と担当課、施策と施策、事業と事業、計画と計画との連携の実を上げて、市民に見える形で事業展開を図り、効果的な健康づくり事業に取り組むべきではないかと思います。  市民の生命と財産を守る本市の方向性の転換として大事なときであります。食育推進計画の策定においても、1課だけでできるものではなくて、食の安全・安心、市民と子供の健康と生命を守るという視点で、30課が心を合わせてこの計画を策定したもので、1課でも欠かすことはできないと思います。ほかにも多くの共同施策の策定があることもよく承知しておりますが、一つの事業に大きな意気込みを感じます。  長くなりましたが、市民のための総合的、体系的な健康づくりのために、総合的な施策とその推進体制の構築を急ぐべきだと思います。これについての市長の御見解をお伺いいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  総合的、体系的な市民の健康づくりの施策の構築につきましてお答えをさせていただきます。  ただいま議員もお述べになられましたように、国におきましては、さまざまな法の改正やあるいは制度の見直し等を進められているところでありますけれども、今回の医療制度改革でございますが、生活習慣病対策、医療の提供体制及び医療保険制度に関する改革を総合的かつ一体的に行おうというものでございまして、我が国におきまして国民皆保険制度創設以来の大改革とも言われているものであります。  そこで、国におきましては、医療制度改革に連動しまして、健康増進法が見直されまして、生活習慣病対策を柱とした健康増進計画が示されたところであります。  そのような中、本市におきましては、平成14年、健康づくりの指針といたしまして、先ほど紹介もありましたが、健康くまもと21基本計画を策定いたしますとともに、まちづくり戦略計画の中におきましても、健やかでいきいきと暮らせる保健・福祉の充実を掲げまして、乳幼児から高齢者までの市民の皆様方が生き生きと暮らせる健康なまちづくりに取り組んできたところでございますが、新たな健康増進法の考え方を踏まえまして、現在その見直しを進めているところであります。  具体的な健康づくりの推進に当たりましては、歯科保健基本計画や本年度策定予定の食の安全・安心、食育推進計画など、他の計画と連携した取り組みを行ってまいりますとともに、新年度には新たな担当部門を設置いたしまして、生活習慣病対策を中心とした健康づくりをさらに積極的に推進することといたしております。  さらには、市民の健康増進の活動拠点といたしまして、来年4月に開設予定の総合保健福祉センターの愛称も「ウェルパルくまもと」と決定させていただき、市民の皆様に親しみやすい施設として利用していただくことにより、本市の健康なまちづくりを総合的に進めてまいりたいと考えております。          〔28番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  市長が今述べられましたように、大事な改革が今やっと実施されることになりました。私はこれまでずっと心配し訴えてきたものです。  本市においても、時宜を得た組織の見直しをスピード感を持って生活習慣病対策室を中心に部門を設置するとのこと、いよいよ本格的実施に大いに期待いたします。
     部門の名前がまだとのことですが、市民にわかりやすいものとするならば、そのまま生活習慣病対策室と名づけられたらどうでしょうか。提案いたします。  総合保健福祉センターの正式名称が、今、市長の方から発表がありましたけれども、「ウェルパルくまもと」と決まったそうですが、ウェルは福祉のウェルフェアで、パルは友達、仲間を意味しているとのことで、市民の愛称として今後親しまれていくことだと思います。  続きまして、本市の国保における特定健診・保健指導についてお尋ねいたします。  これまでの基本健診は、疾患の早期発見や早期治療を目的として健診に重点が置かれており、保健指導は健診に付加をした位置づけでありましたが、これからはメタボリックシンドロームに着目した早期介入・行動変容を促すことが目的であり、そのための保健指導に重点が置かれ、健診は保健指導対象者を抽出するためのものとされています。  また、これまでは健診の受診率や保健指導の参加人数などによって事業の取り組み状況が評価されておりましたが、これからはメタボリックシンドローム該当者をどれだけ減らしたかということが評価の基準となります。つまり、結果を出す健診・保健指導が求められるところであります。  そこで、この特定健診・特定保健指導に関してお尋ねいたします。  まず、本市の国保における特定健診・保健指導はどういう体制で実施されるのでしょうか。また、特定健診の自己負担についてはどのように考えておられるのでしょうか。さらに、この問題に対する地域の保健福祉センターの役割についてはどのようにお考えでしょうか。健康福祉局長にお尋ねいたします。  さて、健診については、これまで40歳以上の市民は等しく基本健診を受診してきましたが、この特定健診は医療保険者ごとに実施責任があるために、来年度からは加入する医療保険により健診を受ける場所、健診項目、自己負担の額などに違いが生じる可能性があります。その結果、これまでのように家族、友人と一緒に健診を受診することができなくなることも考えられます。  また、65歳以上は介護保険による生活機能評価の対象ともなりますし、75歳以上は広域連合が行う健診を利用することとなり、住民にとっては加入している医療保険による縦割り、年齢による横割りで大変わかりにくく、混乱するのではないかと私も心配しております。  この特定健診・保健指導が医療保険者ごとに実施されることによって生じる問題点への本市の対応について、健康福祉局長にお伺いいたします。  次に、特定健診に関し、国保の人間ドックについてお尋ねいたしますが、本年度においては、1,600人の定員枠に対して2,600人の方が申し込みをされるなど、人間ドックは国保加入者の皆様に大変人気もあって、病気の予防対策としては効果的な制度であったと考えますが、今回の制度改革によりまして人間ドックの今後の取り扱いをどうされるのか、健康福祉局長にお伺いいたします。  引き続き、国民健康保険制度についてお尋ねをいたしますが、最近、「保険料の負担が重い」「支払いが大変だ」という相談を多く受けるようになってきました。昨年度、国保の保険料を改定していますが、税制改正よる年金所得控除の引き下げや介護保険料の引き上げもあって、年金所得が中心である高齢者や低所得者の方たちの負担感が増大しております。また、保険料の収納率も低所得層の方たちが最も低いと聞いております。  国保は、市民の医療保障の最後のとりでであります。市民の方の声を聞いていますと、国保加入者の方の負担感を緩和して、納付をしやすい環境の整備が求められていることから、私は、低所得者世帯を対象とする減免制度の新しい仕組みをぜひ導入するべきだと思いますが、いかがでしょうか。市長のお考えをお聞かせください。  次に、今回の医療制度改革の最も大きなことは、75歳以上を対象とする後期高齢者医療の創設であります。新しい制度でありますので、担当部署では特に市民への周知を懇切丁寧に行っていただくことと、制度の運用につきましても高齢者の方々が安心して医療を受けられるようしっかりと取り組んでいただくことを強く要望しておきたいと思います。  一方、この制度によって、75歳以上は国保の加入者ではなくなるために、国保のあんま・はり・きゅうの助成制度を利用できなくなるという問題が生じております。私は、個人的には、県の後期高齢者医療広域連合が取り組めばよいと思いましたが、広域連合の議会では、実施しないということが決まったとのことです。国の制度改正のために、これまで利用していたサービスが利用できなくなるというのは不合理ではないでしょうか。ほかの市町村では、高齢者施策などでこの制度を引き継ぐところもあると聞いております。本市も何らかの形で、あんま・はり・きゅうに対する助成制度を実施すべきと思いますが、本市の対応について市長よりお答えいただきたいと思います。  引き続きまして、国保の保険証の個人カード化についてお尋ねいたします。  現在、保険証は1世帯に1枚になっていますが、市民から1人1枚にできないのかとの相談があっております。高齢者夫婦でどちらも病気のために病院通いをしているような場合や普通の家庭でもちょっとした旅行に行くような場合など、世帯に1枚の保険証だと不便な場合が多いです。ほかの市町村では、既に個人ごとの保険証になっていると聞いておりますし、また、来年度からの特定健診・保健指導の結果は、データとして処理をされたり保管されたりすると聞いております。以前にも質問しておりましたが、将来的には保険証に健診データなどを収録しておくことは住民の健康管理にも役立ち、大変喜ばれ、効果的だと思いますが、保険証を個人ごとにするとともに、そこに健康管理のための情報を収録できるようなカードにしてはいかがでしょうか。健康福祉局長にお伺いいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  私の方から、国民健康保険制度に関連いたします2つのお尋ねにつきましてお答えさせていただきます。  まず、保険料の減免についてでございますけれども、現在の経済情勢の中におきまして、所得の低い方々の各種負担につきましては大変厳しいものがございまして、負担感の解消に向けまして、何らかの対策が必要であると考えております。  既に、低所得世帯対象の減免制度を実施しております他都市の状況を参考にしているところでございますが、そういったことを進めまして減免制度の拡充に向け、さらに検討を深めてまいりたいと考えております。  次に、75歳以上のあんま・はり・きゅうの利用についてでございます。  現在の助成制度でございますが、国民健康保険加入者の健康増進のための保健事業として実施しているものでございます。  しかしながら、先ほど御指摘もございましたように、75歳以上の後期高齢者は来年4月から国保加入者ではなくなりますことから、これまで利用されてきた方々に対して、できるだけ影響が出ないよう対応したいと考えておりまして、制度の利用実態あるいは他都市の状況などを総合的に勘案いたしまして、その具体的内容につきまして、現在、検討を行っているところでございます。          〔谷口博通健康福祉局長 登壇〕 ◎谷口博通 健康福祉局長  私の方からは、国保に関して、特定健診関係、人間ドック、保険証のカード化の3点のお尋ねにお答え申し上げます。  1点目の特定健診・特定保健指導についてでございますが、まず、特定健診の実施体制は、現行の基本健診の形を継続することになると考えております。  特定保健指導は新たな事業でございますので、民間の事業者等への委託とともに保健福祉センターで一部を担うことを考えております。また、保健福祉センターでは、市民の皆様に対する制度の周知や受診の働きかけを行いますとともに、これまでと同様、地域における健康づくりなどに取り組んでまいりたいと考えております。  次に、自己負担についてでございますが、特定健診におきましては、国は3割を自己負担として補助単価を設定していること、大変厳しい国保会計の中での実施となること、基本健診は、県内14市のうち本市のみが無料であること、また、広域連合におきまして、後期高齢者の健診負担額は800円に決定したことなどの状況を踏まえまして、現在検討しているところでございます。  また、加入しています医療保険によりまして利用形態等が異なることで、市民の皆様が混乱されるのではないかとの御指摘についてでございますが、本市としましては、今回の制度改正につきまして、市民の皆様への広報に努めますとともに、他の医療保険者の情報を把握し、市民の皆様からの問い合わせに丁寧に対応してまいりたいと考えております。  また、特定健診につきましては、保険者ごとの違いを可能な限り統一できるよう、各医療保険者で構成いたします県保険者協議会へ働きかけてまいりたいと考えております。  2点目の人間ドックの来年度以降の取り扱いについてでございますが、国保人間ドックは、がん検診部分を除き、特定健診と検査項目の類似点が多く、特定健診と統合するなど、事業の見直しをしていきたいと考えております。  3点目の保険証の個人カード化についてでございますが、まず、個人ごとにカード化した保険証の発行につきましては、国民健康保険運営協議会で御承認を得たところでありまして、来年10月の更新時期にあわせて実施したいと考えております。  また、保険証に健診データなどの個人情報を収録することにつきましては、現在、国におきまして社会保障カードの導入について検討が進められておりますので、その検討状況の推移を見守ってまいりたいと考えております。          〔28番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  今、市長におっしゃっていただきましたように、減免制度については本当に長年希望してきたことでありまして、市民にとって拡充は大変喜ばしいと思います。市長の英断を大いに評価いたします。大変ありがとうございます。  また、はり・あんまについても拡充を検討していただくということですので、高齢者の方に安心感を与えると思います。  また、国保人間ドックについては事業を見直すとされておりますが、これまでも市民に大変好評で大いに利用されていた制度ですし、がん検診も検診率を上げていかなければならないという課題もありますので、今後は、新たな市民健康ドックとしてでも継続していただきたいと思います。  国保行政は、今、大変厳しい財政状況の中で、国保会計健全化10カ年計画に基づく取り組みを進めることが大事でありますし、後期高齢者医療の創設など、大幅な制度改革への対応も必要であります。それに加えて、この特定健診・保健指導は、国保にとっては全くの新規事業であり、この制度を円滑に実施していくためには、相当の人的体制が必要と思われますので、職員配置におきましては、人事当局は十分な配慮をしていただきますように要望しておきますので、よろしくお願いいたします。  次に、妊婦健診の公費負担の拡大についてお尋ねいたします。  本年1月に出された厚生労働省の通知「妊婦健康診査の公費負担の望ましいあり方について」によりますと、母子の健康のため、妊婦にとって望ましい受診回数は13回から14回程度で、健康な妊娠出産を迎える上で最低限必要な健診は、少なくとも5回とされております。  1回の健診費用は、検査内容にもよりますが、3,000円から1万円程度となっており、保険が適用されないため全額自己負担となっています。これに対する助成制度として、現在、本市では、母子健康手帳交付時に2回分の受診券が交付されております。しかし、出産までかなりの経済的負担となるために、全国的に若いお母さんたちから助成制度を拡充してほしいという声が多く寄せられ、公明党は、少子化対策の一環として、助成制度の拡充に取り組んでまいりました。  これを受け、国は、2007年度予算において、妊婦健診への助成拡充を含んだ少子化対策のために、地方交付税額を前年度の330億円から700億円にと倍増しております。  このような中、全国的に妊婦健診の助成回数をふやす自治体がふえておりますが、中でも、秋田県大仙市では、一般健康診査を13回、超音波検査を1回、精密健康診査を1回と、計15回、それに感染症検査、さらには歯科健康診査まで、本当に至れり尽くせりの取り組みが行われており驚きました。熊本市でも同じような取り組みができたらと夢を見る思いです。  さて、8月29日に起こりました奈良県での妊婦たらい回しによる死産事件は皆様の記憶にも新しいことかと思います。このケースは、妊婦がそれまで一度も病院を受診していなかったため、かかりつけ医がおらず、たらい回しになってしまったとのことでした。  この事件を契機に、未受診妊婦や飛び込み出産の増加が大きな課題としてクローズアップされております。その主な理由として、経済的な問題や望まない妊娠などがあるようです。  そこで、健康福祉局長にお尋ねいたしますが、妊婦が受ける健診は、母子の命と健康を守るために必要不可欠なものであり、経済的理由により受診しないというようなことがあってはなりません。また、助成回数の増加は、確実に少子化対策につながり、大変喜ばれると思います。妊婦健診の今後の公費負担の拡充について御見解をお聞かせください。  続きまして、早産予防への取り組みについてお尋ねですが、熊本県においては、出生児1,000人に対して、1,500グラム未満で生まれてくる極低出生体重児の割合が平成17年で9.2人となっており、全国の7.7人を上回っている現状にあります。早産予防対策が喫緊の課題となっております。授かった大切な生命、一日でも長くおなかに入っていることで、生まれてきてからは大きな差がつきます。低出生体重児の出産を何としても防がなければならないと思っております。そのためには、お母さんの意識と妊婦健診の助成回数と健診内容が重要となってまいります。  そこで、本市における低出生体重児の現状と早産予防に向けた今後の取り組みについて、健康福祉局長にお伺いいたします。  また、発達障害児の早期発見・早期療育に向けて、5歳児健診の実施についてお尋ねいたします。  現在、乳幼児健康診査は、母子保健法第12条及び第13条の規定によって市町村が行っておりますが、本市では、3カ月、7カ月の乳児、1歳6カ月、3歳の幼児を対象に実施しております。その後は、小学校に就学する前年11月ごろに行われる小学校就学前健診となります。  実は、この3歳児健診から就学前健診までの期間が開き過ぎていることが、近年増加している発達障害児にとって大変重要な意味を持っているということです。というのは、発達障害は、早期発見・早期療育がその後の成長に大きく影響してまいりますが、幼児期の集団生活を経験する中で、障害特性があらわれ見えてくることから、3歳児ではなかなか発見されにくく、5歳程度になると発見しやすくなると言われております。  しかし、現状では、3歳以降は、就学前まで健診の機会がないために、就学前健診でようやく発見されたのでは遅すぎることになってしまうのであります。発達障害は対応がおくれるとそれだけ症状が進むと言われております。しかも、就学前健診で発見されても、親がその事実を受け入れるのに時間がかかってしまい、適切な対応を講じられることなく子供の就学を迎えるために、かえって状況を悪化させてしまっているといった現状があります。  療育相談会を利用し、円滑な就学支援ができた山口県の5歳児男児の事例を紹介させていただきますと、母親はパートタイムで働いていて1歳過ぎから保育園に入園いたしました。入園当時から活発で多動が目立ってはいたようですが、集団生活の中では大きなトラブルはなかったために、保育園は保護者に特別な連絡はしておりませんでした。  しかし、年中組になってきますと、多動に加え、お友達に対する攻撃的な行動が認められるようになったため、保育士からは、山口県が実施している発達障害児の相談支援事業「療育相談会」への参加を進められました。保護者自身も育児経験の中で、「乳児期から夜泣きがひどく、育児がとても大変だった」「何か違う」というような感じは持っていたようですが、それにどう対応したらよいかわからなかったと述懐しておられました。外出すると、どこに行くかわからず手をつないでいなければいけない状況でした。3歳児健診時に集団行動がとれない、親の言うことを聞かないことを相談いたしましたが、様子を見るようにと言われたそうであります。  このように、3歳児健診では、様子を見るようにと言われることが多く、子供の発達に大事な時期というのに対応がおくれ、後悔し切れない結果となり、両親の不安は大変なものであります。  厚生労働省の平成18年度研究報告書によりますと、5歳児健診を実施している鳥取県では9.3%、栃木県では8.2%もの児童が発達障害の疑いがあると診断されたものの、これらの児童の半数以上は、3歳児健診では何ら発達上の課題は指摘をされていませんでした。報告書では、現行の健診体制では十分に対応できないとの結論が出されております。  平成17年4月1日に施行された発達障害者支援法では、発達障害の症状の発現後、できるだけ早期に発達支援を行うことが重要であることから、国と県と市の役割として、発達障害の早期発見のために必要な措置を講じることが定められています。  模範的な取り組みとしては、鳥取県、栃木県が全国に先駆けて、県内全市町村で5歳児健診を実施しております。また、健診内容に違いはあるものの、長野県駒ヶ根市や香川県東かがわ市、鳥取県米子市、静岡県御前崎市など、熊本県内では城南町が本格的に導入を始めております。財政的に厳しい状況だとは思いますが、早期発見・早期対応は発達障害児対策の基本です。多くの子供たちを救うために5歳児健診をぜひ実施していただきたいことを切にお願いいたしまして、健康福祉局長の見解を求めます。          〔谷口博通健康福祉局長 登壇〕 ◎谷口博通 健康福祉局長  お尋ねの妊婦健診及び早産予防、並びに5歳児健診についてお答えいたします。  まず、1点目の妊婦健康診査の公費負担の拡充及び早産予防についてでございますが、妊婦健康診査は、母体や胎児の健康確保を図る上から、また、増加傾向にございます早産を予防する観点からも大変重要で、経済的理由等により受診をあきらめることがないようにその負担軽減を図ることが必要であり、現在、妊娠前期と後期の2回、また、健診の結果、必要な場合に精密検査を1回、加えて、35歳以上の方については超音波検診を1回公費負担で実施しております。  お尋ねの拡充につきましては、本年1月の厚生労働省の通知を受けまして、本市における公費負担のあり方につきまして、他の中核市等の状況把握や県・市医師会との協議、調整等を行い、現在、拡充に向けて検討しているところでございます。  次に、早産予防への取り組みについてでございますが、本市における極低出生体重児、先ほど説明がございましたが、生まれてくるときの体重が1,500グラム未満の子供のことでございますが、その割合は、平成17年度は、出生1,000人に対して10.4人となっており、平成15年度の7.3人から増加傾向にあります。また、平成17年度に生まれました極低出生体重児67人のほとんどが早産児となっており、早産予防は重要な課題とあると考えております。  現在、早産予防への取り組みといたしましては、保健福祉センターにおける母子手帳の交付時や両親学級で喫煙防止等の妊娠中の生活や定期健診の必要性等について意識啓発を図っております。  また、医療機関と連携し、妊婦健診の結果、必要な方へは家庭訪問等で助言指導を行っております。さらに、低体重児の出生と関係があります歯周疾患を予防するために、妊婦歯科健診を実施しているところでございます。  今後とも意識啓発や保健指導の徹底、歯科健診の受診率向上に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、2点目の5歳児健診についてお答え申し上げます。  現在、本市では、視覚、聴覚、運動、発達等の心身障害、その他疾病及び異常を早期に発見し、適切な指導を行い、心身障害の進行を未然に防止することを目指して、各保健福祉センターにおきまして3歳児健康診査を実施しておりますが、近年増加傾向にあります軽度発達障害等を早期に発見し、早期療育につなげるために、今年4月から問診項目の見直しを行いますとともに、健診マニュアルの作成に取り組んでいるところでございます。  3歳児健康診査の結果、発達上の課題が見られる場合は、心理相談員による相談や保健師の家庭訪問等での経過観察を行いまして、必要に応じて心理フォロー教室や保育園等での集団生活体験、こどもの発達相談室等、専門機関への相談や受診を勧めているところでございます。  発達障害の早期発見のためには、集団生活の中での子供の発達特性を見極めることが重要でありますので、保育園等の職員研修などを継続するとともに、平成20年度からは、新たに開設いたします子ども発達支援センターやその他関係機関と連携しながら、さらなる早期発見・早期療育に努めてまいりたいと考えております。          〔28番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  少子化対策の一環として、妊婦健診については5回の実施に向け、どうかよろしくお願い申し上げます。  5歳児健診については、子供の発達障害の早期発見のためには、ぜひとも必要な施策です。3歳児健診で見落とされた子供たちが、何の対応もされずに大事な時期を過ごしてしまうことは、その子にとって大きな損失でもあります。ぜひとも早期に5歳児健診を、内容を検討しながら導入していただくことを強く要望しておきます。  では、次に、環境問題に移らせていただきます。  2007年のノーベル平和賞が国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)とアル・ゴア前副大統領に授与されることが決まりました。また、11月には、IPCCの総会が行われ、温暖化防止に向けて、今後20年から30年間の温室効果ガス排出量削減努力が重要であると世界へ向け強く訴えました。また、現在、バリ島で温暖化防止に向けたポスト京都議定書の国際的枠組みについて話し合いが行われております。  そのような中、我が国におきましても、温暖化防止に向けたさまざまな取り組みがなされているところでありますが、国や県だけの対策ではなく、住民や地域に密着した市町村レベルでの取り組みが大変重要であります。  また、過日、環境問題においてドイツでも先進的な取り組みを行っている本市の友好都市ハイデルベルク市へ友好訪問団が派遣され、地球環境問題についても話し合いが行われたようでございます。今後は、国際的な連携の中でも温暖化対策に強力に取り組む必要があるのではないかと思います。  そこで、環境保全局長にお尋ねいたしますが、本市の温暖化対策に向けての御所見をお聞かせください。  次に、緑化政策についてでございますが、ことし8月、国内2カ所で40.9度を記録し、最高気温が74年ぶりに更新され、国民に衝撃を与えました。夏場の暑さは年々強まる傾向を見せ、日常生活への悪影響も心配されており、地球温暖化を食いとめるために、身近なところから環境問題に取り組むことが必要であると考えます。  最近、学校施設や事業所等の屋上緑化、壁面緑化(緑のカーテン)が全国で推進されています。東京都板橋区では、約50の学校や公共施設で導入しています。日本工業大学の成田教授が、昨年、東京都内の小学校で緑のカーテンの有無による違いを調べたところ、窓を閉めきった教室では、室内温度は最大で4度の差があるとの調査結果を報告しております。また、公共施設では、実施したことによってエアコンなどの電力消費量の削減とともに職員の環境意識の向上にもつながったと伺いました。  緑のカーテンは忘れていた暮らしの知恵であると考えます。本市においても、学校や公共施設で、緑のカーテン、屋上緑化事業を推進し、環境を感じ、考え、行動する人づくりを積極的に進め地球温暖化防止を推進していくべきであると考えますが、当局の御見解をお伺いいたします。          〔宗村收環境保全局長 登壇〕 ◎宗村收 環境保全局長  環境問題に関する2点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の温暖化対策でございますが、平成17年2月に京都議定書が発効し、我が国では、平成20年から5年間に温室効果ガス排出量を平成2年度比で平均6%削減することが義務づけられております。  本市におきましても、第2次環境総合計画において、平成2年度比で平成22年度までに6%削減することを目標に取り組んでおりますが、現状では、その達成は大変厳しい状況でございます。この削減目標を達成するためには、行政としての率先行動を示しながら、市民一人一人の理解のもと、身近にできることから取り組んでいただくことが何よりも重要であると考えております。  そこで、これまでの家庭で省エネ・省資源に取り組むCO2ダイエットクラブ事業や事業所を対象とした事業所グリーン宣言事業に加え、今年度から新たな市民啓発事業を実施いたしたところでございます。  具体的には、省エネ・省資源、ごみ減量・リサイクル、緑の創出など、市民一人一人の取り組みが地球温暖化の防止にどのように貢献していくのかを御理解いただくことを目的に、地球温暖化の現状を初め、本市の環境の現状や取り組み、家庭での実践方法などについての市民説明会を市内16カ所で開催したところでございます。  また、地球環境の保全という観点からは、国際的な視点も重要でございますことから、本市におきましては、国際協調の中で温暖化防止を推進する国際的な自治体連合組織であるイクレイにも加入し、参加自治体との交流やセミナーへの参加を行っているところでございます。  さらに、先日の友好訪問団のハイデルベルク市訪問の際、両市において、日、独、米の自治体による気候変動に関する地方自治体パートナーシッププロジェクトに参加することが合意されており、今後も引き続き国際的パートナーシップの中で温暖化対策の推進を図ってまいりたいと考えております。  地球温暖化問題は喫緊の課題であり、温暖化対策は、今後ますます重要なものとなってまいります。本市といたしましても、これまで以上に市民や事業者の皆様との連携を図りながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の屋上緑化及び緑のカーテン事業の推進についてお答えいたします。  まず、屋上緑化の取り組みでございますが、屋上を緑化することにより、屋上の表面温度や屋上階下の天井温度を下げる効果のあることが知られており、空調の低減やヒートアイランド現象の緩和、ひいては地球温暖化の防止のつながるものと考えております。  このようなことから、本市では、平成14年度から緑化スペースが少ない中心市街地の民間ビルを対象とした助成制度を設け、屋上緑化を進めているところでございます。また、学校や公共施設の屋上緑化につきましては、現在建設中の総合保健福祉センターにおきまして、壁面緑化とあわせて取り組んでいるところでございます。  屋上緑化は、建物の防水や耐荷重等の問題もございますが、快適な学校や職場環境の整備、環境教育の実践の場となることなど、地球温暖化防止対策として有効な手段でありますことから、今後とも積極的に整備に努めてまいりたいと考えております。  次に、緑のカーテンでございますが、屋内に差し込む直射日光の遮断や植物の蒸散作用による室内温度の低下に伴う空調の軽減等は、結果として二酸化炭素排出削減効果による地球温暖化防止にもつながるとともに、収穫の楽しみや家庭、職場における環境教育の効果もあわせて期待できるものと思っております。  そこで、その設置、導入に当たりましては、熊本の高温多湿な気候風土における効果の程度や建物の形態に合った効果的な手法などの検証を行いながら普及の啓発を図ってまいりたいと考えております。          〔28番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  地球温暖化問題は今後ますます重要性を増す喫緊の課題ですので、各局、各部署の連携のもと、強力に対策を推進していただきたいと思います。  緑のカーテンにつきましては、緑のカーテンの効果が熊本市に合うのかどうか、ぜひ検証していただきたい、そのために予算が要望されておりますので、予算を獲得し、熊本市の現状の検証を実施していただきたいと要望しておきます。
     最後になりまして、多重債務問題について少しお伺いしたいと思います。  我が国における多重債務者の状況でございますが、昨年12月の貸金業法の改正を受けて、新たな多重債務者の発生に対して一定の歯どめがかかったものの、現在、消費者金融の利用者は少なくとも約1,400万人おります。そのうち多重債務状態に陥っている方は約230万人とも言われており、近年、特に女性被害者がふえている実態がございます。  多重債務者で、相談に来られる女性には、1カ月の収入が10万円から15万円ぐらいの生活保護基準以下という方が多く、多重債務に陥る理由は、生活苦や病気や医療費、失業、給料の減少などが大半を占めております。また、本県の多重債務者を自己破産件数から見ますと、平成18年は2,759件、人口比全国16位となっており、決して少ない数ではない状況でございます。  さて、本市の多重債務者に関する状況ですが、ここ3年間の多重債務に関する相談件数を確認しましたところ、平成16年では2,316件、17年1,293件、平成18年は1,297件ということでした。国は、ことし4月に多重債務問題改善プログラムを決定いたしました。この多重債務問題に積極的に取り組んでいるのが盛岡市でございます。市の職員4名、消費生活相談員資格を持った相談員6名の合計10名で、多重債務は必ず解決できるとの姿勢で取り組まれています。借金の問題を解決することのみならず、生活事情などをよく聞いて、必要に応じて福祉担当などへの橋渡しや借金整理後の生活再建のためのコーディネートも行っております。  また、盛岡市多重債務者包括的支援プログラムをことしの4月より実施し、税の徴収担当や福祉担当、市民相談担当職員などのほか、全庁的に多重債務に困窮する市民を把握して、消費者生活センターにおいて債務を整理し、行政サービスを最大限活用した支援を施し、市民の生活再建を包括的に支援する施策を行っております。さらには、債務を一本化したり、訴訟費用などにあてるための資金を貸し付ける公的融資となる盛岡市消費者救済資金貸付制度を平成元年度より行っております。  この制度を実行するのは、岩手県の消費者信用生活協同組合です。多重債務者の救済対策もすばらしいものがありますが、多重債務に陥らないための予防対策にも目を見張るものがあります。児童・生徒・学生向け出前講座「よ~く考えよう!お金の話」を開催、子供たちに直接、金銭教育(お金のしつけ)を行っております。さらに、センターホームページに消費者教育支援のページを設けて、センター作成の教案、教材などを公開し、だれでも自由にダウンロードができるようにしております。当然のことながら、消費者生活センターのホームページは大変充実しているそうです。  そして、何よりもすばらしいことは相談の対応の仕方です。一時的な手助けや弁護士会などの相談窓口を単に紹介するというやり方ではなくて、せっかく勇気を出して相談に来た市民の気持ちをそぐことなく、その決意を汲みながら一気に解決の道筋をつけてあげるとの思いで業務に当たっているとのことです。  まさに盛岡市は、国の施策を先取りした形で取り組んでおります。熊本市も盛岡市のような取り組みが必要と考えますが、この多重債務問題についての本市での現状と考え方について、副市長に御所見をお聞かせ願います。          〔三嶋輝男副市長 登壇〕 ◎三嶋輝男 副市長  多重債務問題への取り組みにつきましてお答えいたします。  本市では、現在、市民相談室及び消費者センターを中心としてその対応を行っているところでございますが、まず、市民相談室におきましては、これまでも無料の多重債務相談を行っておりますが、本年度から相談内容の複雑化、多様化に伴い、より専門的な知識、経験を有する熊本県司法書士会に業務を委託し、具体的な債務整理方法のアドバイスや法テラス熊本で行っております弁護士費用の立てかえ制度等の紹介を行うなど、その内容の充実を図ったところでございます。  また、消費者センターでは、消費生活相談員が、弁護士会、司法書士会等と連携を図りながら相談に応じており、そのほか、消費者教育といたしまして、出前講座の実施や小中学校への金銭教育のための啓発資料の配布などを行っております。  さらに、本市では、多重債務者の早期発見と解決を図るため、本年5月、税や公共料金等の収納や生活保護等福祉を担当する部署の15課による多重債務問題に関する庁内連絡会議を設置し、それぞれの業務の中で多重債務者を発見した場合、市民相談室や消費者センターへの誘導を徹底するなど、関係部署間の連携を強化しているところであります。  また、本年8月には、本市を含め、熊本県弁護士会、国・県など12の関係機関による熊本県多重債務者対策協議会が設置され、その中で、相談マニュアルの作成、配布等を行うほか、12月10日からの「全国一斉多重債務者相談ウィーク」では、その一環として無料相談会も開催されております。  今後とも多重債務問題につきましては、関係機関との連携を密に図りながら、相談者の立場に立ったきめ細やかな対応を心がけてまいりたいと考えております。          〔28番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  税や公共料金の収納や生活保護など、福祉を担当する部署の15課による多重債務問題に対する庁内連絡会議を設置し取り組みを開始しているとのこと、大変期待するものです。  職員がいろいろな機会で問題に出合ったときに、何か問題を抱えているのではとの認識で債務資料などのチラシを渡していただけるだけで、今まで暗闇の中にいた方に明るい光が見えてくると思います。  多重債務の整理は、2年後金利の改変があると伺っております。ことし1年ないし2年が勝負であるとも言われておりますので、ぜひ取り組みを強化していただきたいと思います。  また、慌しい年の瀬が迫ってきております。この時期になると、毎年のように詐欺や悪質商法などの金銭絡みの犯罪もふえてきます。今、「090金融」なる携帯電話を利用したものまで出てきていますので、多重債務が多いと言われる本市においても、再度、職員研修でもしていただきたいと思っております。  少し長くなりましたけれども、これをもちまして質問を終わらせていただきます。議員各位、そして傍聴の皆様、朝早くから来ていただきまして心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。(拍手)       ─────────────────────────── ○磯道文徳 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                              午後 0時11分 休憩                              ───────────                              午後 2時01分 再開 ○牛嶋弘 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ─────────────────────────── ○牛嶋弘 議長  質問を続行いたします。上野美恵子議員。          〔16番 上野美恵子議員 登壇 拍手〕 ◆上野美恵子 議員  日本共産党熊本市議団の上野美恵子でございます。3期目を迎えまして初めての質問です。質問通告の順を一部入れかえて質問してまいります。  私は、市民の皆さんの気持ちに寄り添って、抱えておられる苦難の解決に当たること、とりわけ、お年寄りや子供たち、障害を持った方々など、弱い立場にある方々が幸せに暮らせる熊本市政の実現に力を尽くすことを政治信条にしてまいりました。自殺者が8年連続で3万人を超えて、貯蓄ゼロ世帯は4世帯に1世帯、世界的に見ましても、今や日本の貧困はOECD諸国の中でも高いところにあると指摘されて、日本社会の抱える格差と貧困の深刻さは際立っています。住民に一番身近な自治体がその困難を解決するためにどうあるべきか、目指すべき熊本市の将来とはどんなものか、一緒に考えてまいりたいと存じます。思いを込めてお尋ねしてまいりますので、市長初め、執行部の皆様には、思いをしっかりと受けとめていただきまして、心ある答弁をいただきますようお願いいたします。  では、社会保障の問題から入ります。  初めは、国民健康保険と後期高齢者医療です。11月21日の熊本市民連主催国民健康保険と現代の貧困というシンポジウムでは、サラ金・ヤミ金被害や医療現場からの深刻な事例が報告されています。  15年前に卵巣がんの手術をした50歳のAさんは、その後、乳がんが見つかって、また手術、その後、高血圧の治療も始められて定期受診が欠かせない状態でした。それがことし7月に突然治療を中断。Aさんは、病気の傍ら清掃業務で月9万円ほどの収入、御主人は月14万円程度の収入がありましたが、借金に追われて、自己破産の後、ヤミ金にまで手を出して、国保の滞納、無保険となっていました。  また、66歳のYさんは、検査で直腸がんと診断されましたが、お金がないために病院に行けず、生活保護を申請、その後入院されましたが、そのときは肝臓に転移していました。この方も具合が悪いにもかかわらず仕事を続けておられました。  私どもは、すべての方がどんなときでも何らかの医療保険制度によって安心して病院にかかれるようにと、国民健康保険制度の改善を強く求めてまいりましたけれども、いまだもって命が奪われるような事例が後を絶ちません。引き続き、改善を強く求めて、質問を行います。  第1に、厚生労働省の資料では、各県ごとの国保の滞納世帯数に対する資格証明書と短期保険証の発行世帯数の割合、合計制裁率は88.3%で、全国47都道府県中、第2位の60%を大きく離してトップです。合計制裁率が高い原因は、他県と比べて群を抜いた2万5,000近い短期保険証の発行数です。  熊本市の短期保険証が異常に多いのは、保険証の更新に当たって収納率により基準を設けて機械的に短期保険証を発行しているからです。現行の基準は、収納率10%未満が3カ月証、10%から70%が6カ月証、収納率70%以上が1年証です。しかも、この判定基準は、平成13年10月にそれまでの基準を大きく改悪されています。そのため更新ができず、昨年、ことしと11月の時点で9,000世帯を超える方々が保険証を持っていません。  私ども党市議団は、10月に厚生労働省にまいりまして、短期保険証の機械的発行の是非について伺いました。厚生労働省の担当官は、短期保険証の機械的発行はだめです。そのようなことは指導していないと言われました。平成19年3月に厚生労働省から出されました事務連絡には、資格証明書及び短期被保険者証の交付は単なる収納対策ととらえるのではなくて、被保険者の支援という視点でこれを有効活用することが重要ですので、交付の基準を定めることは必要ですが、滞納者に一律に交付するのではなく、個別事情を勘案しつつ交付するよう助言してくださいと書かれています。本市の発行の仕方は、収納率によって機械的に行われています。厚生労働省もだめだと明言している短期保険証の機械的発行は即刻中止していただきたいと存じますが、いかがでしょうか。  第2に、生活が行き詰まって医療費を払えない世帯が激増しています。このような場合、国民健康保険法第44条に基づき、医療費の支払いが困難な加入者に対し、一部負担金の減免・免除を行う制度があります。しかし、その実績は、ここ3年間でたったの3件から5件、全く制度が機能していません。市の要綱では、収入激減が想定されていますが、それでは生活困窮から医療費が払えない人は救われません。所得の水準を設けて生活困窮者への医療費減免ができるように制度の運用をぜひ改善していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  また、この制度は市民にほとんど知らされていません。こんなに困っている人がいるのですから、市政だよりやホームページなどでの周知徹底や医療機関への周知をすべきではないでしょうか。  第3に、制裁措置で、短期保険証を乱発しても収納率は一向に改善しません。一方で、医療費がなくて手おくれになり命を落とす人もおられます。国民健康保険が皆保険制度として機能しないのは、そもそも熊本市の保険料が高過ぎるからです。県下市町村の中で最高額、県下14市の中で一番低い上天草市と比べますと1人3万円も高くなっています。しかも、国保健全化10カ年計画に沿って、3年おきにさらに保険料の引き上げが予定されています。経済的困難を抱えて保険料が払えない、病院に行けない方々の実情に照らして、異常に高い本市の国民健康保険料は引き下げるべきではありませんか。  続いて、来年4月実施予定の後期高齢者医療制度についてお尋ねいたします。  私どもは、9月に日本共産党熊本県委員会として、熊本県後期高齢者医療広域連合に対しまして、現行制度の中止もしくは高齢者の立場に立った見直しを強く申し入れています。これが過酷な制度であることは、実施の前から世論に押されて政府が制度の一部を凍結せざるを得なくなっていることにもあらわれています。実施主体は広域連合でございますが、市町村の姿勢は重要ですし、幸山市長は広域連合長でもいらっしゃいますので、高齢者の方々の身になってお考えいただきたく、お尋ねいたします。  第1に、この制度は、75歳以上の高齢者を国保や健保から追い出して、高い保険料を容赦なく年金から天引きし、払えなければ保険証を取り上げ、しかも過酷な保険料取り立ての一方で、医療給付は徹底して抑えるという制度です。終末期の患者に在宅死を選択させて、退院させれば診療報酬を加算して病院から追い出すというようなことまで検討されています。  うちの近所に住む高齢者の方は、長生きをすることは罪悪でしょうか。年寄りは死ねということでしょうかと言っておられました。市長は、この後期高齢者医療制度に対する高齢者の不安や悲しみをどのようにお感じでしょうか。  私は、長年社会の中で苦労して日本を支えて来られたお年寄りが、希望と安心をもって生きていけるよう、高齢者の皆さんへの負担増やサービスの後退をさせないために、熊本市としても意を尽くすべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。  第2に、11月の広域連合議会で決まりました保険料の平均額は年間7万7,637円です。この保険料負担については一定の軽減措置もありますが、それでも負担のふえる方がおられます。どの程度いらっしゃるのでしょうか。国民健康保険は大変な制度ですが、それでも制度の矛盾を補うため一般会計からの繰り入れができます。  しかし、後期高齢者医療制度は、実施主体が市町村の集合体である広域連合ですから、会計は後期高齢者医療会計1本で、一般会計に当たるものがないため、医療給付の増加や後期高齢者の人口増などによる影響はすべて保険料にはね返って、自動的に保険料が上がる仕組みです。現在、スタートに当たって、保険料が一定抑えられてはいますが、将来は必ず上がります。しかも、月1万5,000円というわずかな年金でも、いや応なく天引きされます。毎年減らされるわずかな年金で暮らす高齢者の実態からしても、熊本市としても何らかの保険料の負担軽減策を行うべきではないでしょうか。  また、後期高齢者医療制度の実施とあわせて健康診断制度が大きく変わります。これまで40歳以上を対象に行われていた基本健診から75歳以上が切り離された上で、40歳から74歳までについては、各保険者の特定健診へと移行します。後期高齢者医療における健診の自己負担は1人800円となります。特定健診は、実施が各保険者となるために、国保、組合健保、社会保険と、それぞれに健診の内容も費用の負担も変わってくるため、公平に健診を受けることができません。  熊本市の場合はこれまで無料でしたので、新たな負担が生じます。国民健康保険で、1人1回どの程度の負担を検討されているのでしょうか。国民健康保険は、とりわけ生活の厳しい方々が加入されています。一般会計で負担して、75歳以上の方々も含めて40歳以上のすべての健康診断について、これまでどおり無料存続ができないのでしょうか。  以上につきまして、市長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  社会保障に関連いたしまして、国民健康保険、さらには後期高齢者医療につきましてお尋ねがございましたので、順次お答えさせていただきます。  まず、国民健康保険につきまして、3点につきましてお答えさせていただきます。  まず、1点目でございますが、短期保険証の発行についてであります。短期保険証につきましては、先ほど御説明もあったところでございますが、単なる収納対策としてではなく、被保険者の支援という視点から発行を行っているものであります。  その発行に当たりましては、まず、納付相談の通知を差し上げまして、個別の生活実態等に基づきますきめ細やかな相談や生活支援に関する情報提供の機会を設けているところでありまして、国の指導に基づく適切な対応を行っているものであります。  2点目は、国民健康保険法第44条に基づく減免制度につきましてお答えさせていただきます。  本市におきましては、法及び国の通知に基づきまして要綱を策定し、医療機関の窓口でお支払いをいただく一部負担金の減免を行っているところであります。この減免制度は、激変緩和策として特別な事由により支払いが困難となった場合に適用するものでございます。現在、国保加入の全世帯にお届けしております国保のしおりなどによりまして、その制度の周知を図っているところでございますが、ただいま御指摘もございまして、今後もさらにその周知に努めてまいりたいと考えております。  3点目の国民健康保険料の引き下げについてでございますが、御案内のように、本市の国保会計は多額の累積赤字を抱えている現状にあり、大変厳しい状況でございます。そういった中で、一般会計繰入の拡大、定期的な保険料の改定、収納率の向上及び医療費の適正化、これを柱といたします国民健康保険会計健全化10カ年計画を策定いたしまして、平成17年度から取り組んでいるところであります。  この計画に基づきまして、昨年、国民健康保険運営協議会の答申を受けまして、保険料の改定を実施したところでございますが、御案内のように依然として65億円の累積赤字を抱える中におきまして、保険料の引き下げについては困難であるわけでございますが、午前中にもお答えいたしましたように、所得の低い方々に対します減免制度を検討いたしますなど負担の軽減に努めますとともに、国保財政の健全化、これを着実に進めていく必要があると考えております。  続きまして、後期高齢者医療につきまして3点お答えさせていただきます。  後期高齢者医療制度につきましては、来年4月からの運用を目指しまして、現在準備を進めているところであります。制度のスタートに当たりましては、市民の皆様への周知が重要でございますことから、本市におきましては、これまで市政だよりやふれあい出前講座などで制度の説明に努めてきたところであります。さらに、1月には住民説明会を開催いたしますとともに、3月の保険証発送時にはパンフレットを同封いたしまして、後期高齢者の皆様方に詳しくお知らせしてまいりたいと考えております。  運用開始後は、高齢者の皆様の相談に丁寧に対応いたしますなど、高齢者の生活を支える医療制度となりますよう取り組んでいかなければならないと考えております。なお、広域連合におきましても、新聞やテレビ等によりまして広報に努めることとなっております。  続きまして、保険料の負担につきましては、本市には75歳以上の方々が約6万5,000人おられまして、それらの方の後期高齢者医療の保険料を今年度の国民健康保険料と比較いたしますと、約2万人の単身者のほとんどが安くなり、複数世帯におきましては、所得額や世帯の構成により安くなる世帯と高くなる世帯がございます。また、この制度は、県単位で財政運営を行い、保険料も県内均一の料金となっておりますことから、本市単独の負担軽減策は困難であると考えております。  最後に、特定健診の自己負担につきまして、これも午前中にお答えさせていただきましたように、国の考え方あるいは本市の国保財政の現状等を踏まえながら、現在検討しているところでございます。          〔16番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  市長は、この後期高齢者医療制度について何の問題点もないかのような答弁をされております。市長はこの制度がお年寄りにとってどんな過酷な制度かよくわかっておられないと思います。先ほど申し上げましたように、制度実施前から一定の見直しを余儀なくされていること自体が異常ではないでしょうか。  共産党にはこんな声が届いています。私たちは、焼け野原だった日本を必死になって復興させた世代です。後期高齢者医療制度を知ったとき、その私たちが今、国から捨てられようとしていると思いました。そして悔しいと言って声を詰まらせられました。  東京都議会では、あの福祉をばっさり切り捨てることで有名な石原都知事ですらも、結果として、貧しい年寄りは早く死ねということになってはならないと思うと答弁されています。そして、この制度は今、姥捨て山だと言われていますが、これを命名したのは元厚生労働省局長です。こういう人たちまでがひどいと言っていることを十分に認識すべきと存じます。この制度で、広域連合長をお務めの幸山市長は、高齢者の生の声をどのようにお聞きでしょうか、お答え願います。  そして、国民健康保険の短期保険証の発行でも、私は大変不正確な認識だと思います。昨日、厚生労働省に尋ねましたが、基準を設けることは一定必要でも、相談に来られたときに、お一人お一人の事情を勘案し、必要な場合には短期保険証を発行しないというような対応をしてこそ初めて機械的ではないと言えるのではないでしょうか。納付相談をされ、保険料を払わせる約束はしても、収納率の低い人に対しては、どんな事情があろうとも短期証を発行するというのが機械的というのです。  だから、病気になって死に至る人、手おくれの人が続出するのです。病気であろうが、体が不自由であろうが、子供であろうが、母子家庭であろうが、保険料の収納状況が悪ければ短期証、それが未更新となって毎年1万人もの人が保険証を持っていない、こんな自治体はないと思います。厚生労働省の事務連絡の趣旨にそぐわないことに全く無反省だと思います。  しかし、こんな事態になることの一番の問題は、国民健康保険料が高過ぎます。政令市を見ますと、黙っていたら保険料がどんどん上がって、ますます払えない国民健康保険制度になる矛盾を解決するために、一般会計から相応の繰り入れをしています。けた違いの金額です。政令市、政令市といつもおっしゃっておられます市長が、このように福祉の分野ではどうしてこうも対応が違うのでしょうか。政令市を目指すというのであれば、国保会計への一般会計からの繰り入れこそ政令市並みにして、高い保険料をぜひ引き下げるべきではありませんか。  以上の2つについて、再度、市長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  後期高齢者医療制度につきまして、それから国民健康保険につきまして再度お尋ねがあったところでございますけれども、先ほどの問いかけの中で、何の問題もないかのようにとらえているのではないのかということでございますが、決してそのようにとらえているものではございません。  それから、先ほど厚生労働省の元幹部の方の姥捨て山でしたでしょうか、間違えていたら申しわけございませんけれども、そういった形になることがないように、その制度の定着に努めていかなければならないと思いますし、そしてさまざまな当事者の皆様方の声というものを真摯に受けとめてまいります中で、必要に応じて制度の改正等を国に対しても求めていく必要があるのではないかと考えております。  いずれにいたしましても、広域連合長という立場からいたしますと、いよいよ来年4月には制度がスタートすることになるわけでございますので、先ほど申し上げましたような制度の周知をしっかりと図ることによりまして、4月からのスムーズな制度の移行に努めますとともに、先ほど申し上げましたようなさまざまな声を受けとめます中で、必要に応じて制度の改正等を求めてまいりたいと考えております。  それから、もう一点の国民健康保険についてのお尋ねでございましたけれども、再び短期証につきましては機械的な発行だと、さらには厚生労働省の方からもそういったことはやめるべきだというような見解ということでありましたけれども、私どもの方からも厚生労働省の方に今の取り組みについて御説明し、厚生労働省の方より決して法あるいは通知に違反しているものではないのではないかという御見解をいただいているところであります。  しかしながら、ただいまいただきました御指摘を十分に踏まえまして、より丁寧な説明、丁寧な対応に心がけてまいりたいと思っております。  さらには、保険料の引き下げにつきましてもお話があったところでございますけれども、これまでも、先ほど御紹介をいたしましたように、10カ年計画を策定いたします中におきまして、一般会計からの繰り入れの拡大等につきましても努めてまいったところでございます。3カ年ごとの保険料の引き上げ等も、その中には保険料の見直し等も含まれているわけでございますけれども、さまざまな取り組みを進めることによりまして、でき得る限り保険料を引き上げることがないように、全体としての取り組み、健全化の取り組みというものを進めてまいりたいと考えております。          〔16番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  後期高齢者医療制度については、しっかりとお年寄りの皆さんの声を聞いて心ある対応を強く要望いたします。高い国保が下げられないのは市の財政運用が間違っているからです。市民の払った税金が、市民の痛みや苦しみを取り除くために使うのが市政のあるべき姿ではないかと思います。  次に、介護保険制度についてお尋ねいたします。  昨年4月の大幅な見直しから1年8カ月、保険料の値上げや居住費・食費の自己負担導入、予防給付の実施による介護サービスの取り上げなどによって介護の現場はますます深刻です。  先日は、股関節の骨折、正式には大腿頚部骨骨折をした方が、手術の予後、足が曲げられなくなって介護ベッドが必要となりましたが、要介護度1であったために利用が認められませんでした。昨年の見直しで、福祉用具レンタルに大きな制限が設けられたためです。その後、一定の基準緩和が行われましたが、緩和の範囲が狭くて骨折などによる障害は対象外です。介護保険を利用すれば、月1,000円程度の負担が月3,000円から7,000円もの全額自己負担か、お金が払えなければ泣く泣くベッド返上です。動けなくて寝たきり状態になった方もいらっしゃるように伺っています。昨年の制度変更で介護ベッドを利用できなくなった人はどのくらいいらっしゃるのでしょうか。  私は、介護保険の実施前から、こんな制度が始まったら高齢者福祉のサービスが大きく後退すると指摘してきましたが、当時の市長も健康福祉局長も、サービスは後退させません。介護の社会化によって、いろんなサービスを選んで利用できますと答えておられました。ところが、現実は惨憺たるものです。福祉用具のレンタルについて、利用できなくなった方々に何らかの手だてができないものでしょうか。  続けて、障害者自立支援法についてお尋ねいたします。  この法律が施行されて、本格実施となった昨年10月からわずか2カ月後に国が一定の見直しを余儀なくされたことは、この制度がいかに障害者の実態にそぐわないものであったかを如実に証明しています。  この間、障害児を育てているお母さんのお話を聞きました。その方は、9歳、7歳、1歳の3人の子供さんがいらっしゃいます。うち7歳の方が立つこともできない重い障害をお持ちです。いろいろな福祉用具が必要ですが、座位保持いすは1台三十数万円、車いすが30万円程度もするそうです。現在その1割が自己負担で、子供の成長に合わせて、一、二年あるいは3年程度で買いかえが必要とのこと。くつも目的や形によって8万円から30万円程度まで使う時々によって数種類が必要で、しかも1年おきには買いかえなければなりません。これまで1回の福祉用具更新に1万円かからなかったのが、すべて1割負担になって、更新のたびに上限である3万7,200円、4倍近くの負担になったそうです。平均的に年間10万円程度は必要となるそうです。  それに、市内から松橋養護まで毎日の送迎、しかも、送迎時のカーシートは必需品であるにもかかわらず補助対象外で5万円もの自己負担。親は病気になっても、移動サービスがないために病気にもなれない、私たち障害児を育てる母親も生身の人間なのにと御苦労の一端を語られて、私も子供を育てる親として胸の詰まる思いでした。  本市でも、独自の負担軽減策が実施されて、利用しているサービスが対象となった方は大変喜んでおられます。しかし、この方のように、利用するサービスが対象外で、いまだ苦しんでおられる方もいらっしゃいます。福祉用具の利用を独自の負担軽減策に加えるなど、市の独自策の拡充を何とか図れないものでしょうか。  また、障害者自立支援法の一番の痛みは、すべての障害者サービスに一律1割の負担を求める応益負担です。熊本県は、この間、国の特別対策によって一定の負担軽減が図られたとはいえ、自立支援法施行に伴う利用者負担増の影響を受けている方がおられることなどから、この10月に、知事名で厚生労働大臣あてに障害者自立支援法の制度見直しに関する提案を出されております。  提案の第一には、利用者負担の問題が挙げられ、応益負担から来る負担感解消のために、障害者やその世帯の収入の状況に応じて所得区分を細分化することなども求められています。  そもそも障害者サービスに負担を求めること自体が障害者福祉の理念に相入れません。重い障害を持った人に、そしてまた、収入の少ない人に、より重い負担を求める応益負担は見直すべきです。障害者サービスの利用に対する応益負担がどんなに障害者を苦しめているのか、市長はその痛みをどのようにお感じでしょうか。  あわせて、インフルエンザ予防接種への公費負担の拡充についてお尋ねいたします。  毎年この時期になりますと、インフルエンザ流行が心配されます。流行の型はありますが、予防接種をしている人としない人とでは大事に至る度合いも違うため、多くの方が受けるように心がけておられます。  熊本市は、現行で無料の対象者が、予防接種法に定められた65歳以上の市民並びに疾病や障害を持ち医師の診断書の提出がある場合と、行政措置によって生活保護世帯の20歳から65歳までの市民に限られています。
     先日、新聞には13歳未満の子供は数千円の注射を2回受けなければならないし、子供が3、4人いる家庭では経済的に苦しくて無理なところもあるらしいので、子供たちこそ無料にするべき。少子化だから子供を大事にしないといかんという声が紹介してありました。  熊本市の公費負担は、自己負担を求めないという点では、市民にとって大変ありがたい制度になっています。しかし、他都市の状況を見ますと、県下では、一定自己負担はあっても、菊陽町、益城町、阿蘇市、菊池市などが3歳から64歳を対象に、宇城市、水俣市が16歳未満に公費負担を行って、玉名市、八代市も16歳未満を対象に任意接種料助成を実施しています。  沖縄県宮古市では、今年からすべての小中学生を対象に全額公費負担を始めています。本市においても、法定外では生活保護だけとなっております公費負担の対象を拡充していただきたいと存じます。当面、子供たちの接種について早急に公費負担の拡充を図っていただきたいと存じますが、いかがお考えですか。  以上、市長並びに健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  障害者自立支援法に関します利用者負担についてのお尋ねにつきましてお答えさせていただきますが、利用者負担につきましては、昨年度アンケートを行っておりますけれども、その結果によりますと、77.2%の方が負担が重くなったと感じておられる、こうした調査結果も出ておりますし、また、私自身も直接、陳情あるいは署名簿等もいただきました中で、その現状を訴えられたところでございます。また、この議会におきましても、さまざまな御意見をいただいておったところでございますが、そうしたことを踏まえまして、本年度におきまして、障害福祉サービスの利用者負担を2分の1に軽減させていただいたところでございます。  さらなる利用者負担の軽減につきましては、これまでも私と市議会議長連名によりまして、国への陳情や全国市長会を通じまして、軽減の要望を行ってきたところでございまして、今後もその状況を見据えました中で取り組んでまいりたいと思っております。今後も利用者の声をお伺いしながら、機会あるごとにそうした要望も続けてまいりたい、さらには市として取り組める部分につきましても、しっかりと対応してまいりたいと思います。          〔谷口博通健康福祉局長 登壇〕 ◎谷口博通 健康福祉局長  私の方から介護保険関連、それから障害者自立支援及びインフルエンザ予防接種の3点のお尋ねにお答え申し上げます。  まず1点目の介護保険の特殊寝台の利用者数は、平成18年と平成19年を調査月の2月で比較いたしますと、3,091人と1,570人になっております。特殊寝台は、寝返りや起き上がり等の動作を補助するものであり、それらの動作が可能な軽度の方々については保険給付の対照外となったものでございます。しかしながら、軽度の方々の中にも特殊寝台を必要とされる方もおられますので、国に対しまして、状態に応じて特殊寝台の対応が行われるよう判断基準の見直しについて要望を行ってまいりました。その結果、本年4月から医師の意見や適切なケアマネジメント等に基づき、特殊寝台が必要と判断された方には、例外的に保険給付の対象とする見直しが行われ、現在54人の軽度の方々が特殊寝台を利用されておられます。  お尋ねのその他該当しない方々につきましては、今後それぞれの状況把握に努めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の障害者の補装具に対します利用者負担の軽減策の拡充についてお答え申し上げます。  補装具の製作費用は、今お述べになりましたように、高いものでは数十万円を要しておりますが、費用負担は所得に応じて定められておりまして、無料から最高でも3万7,200円の上限額となっております。また、その製作回数は、多くても年に1回程度であることなどから総合的に勘案し、国の制度に準じて実施しているものでございます。  補装具を含めました利用負担につきましては、国におきましても見直しの検討が始まっておりまして、引き続き国の動向を注視してまいりたいと考えております。  最後に、インフルエンザの予防接種の公費負担拡充についてでございますが、予防接種法に基づくインフルエンザ予防接種は、65歳以上の方と60歳から65歳未満で、心臓、腎臓、呼吸器の機能及びHIVウイルスによる免疫機能に問題がある身体障害者手帳1級に相当する方が対象となっており、本市においては無料で実施しております。さらに、法対象外の方においても、20歳から65歳未満の生活保護受給者は無料で受けることができます。  法が定めておりますのは、高齢者がインフルエンザにかかった場合、死亡や重症化する危険があり、発病を予防するため、また、発病しても重症化を防ぐための措置でございます。子供に対するインフルエンザ予防接種につきましては、現在、厚生労働省でワクチンの有効性、安全性について検討が続けられており、今後の推移を見ながら検討してまいりたいと考えております。          〔16番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  障害者自立支援法は、応益負担への実態についての認識が甘いと思います。介護ベッドの利用については、制度の見直しによって利用できる人が3,000人から半分に減って、1,500人以上の人が利用できなくなったというのに、緩和対策の対象はたった54人と大変狭き門です。調査をするということではありますけれども、利用者の方々の身になって考えるという点では、心がないように思います。  それでは、続けて生活保護についてお尋ねいたします。  北九州市で起こりました相次ぐ餓死事件は全国から注目されました。もちろん表面化した事件は氷山の一角で、そこには病気であっても働くことを執拗に迫る過度の就労指導と、それを通じて保護を廃止する切り捨て作戦、必要と思われる人にも申請させない水際作戦など、闇の北九州方式といわれる過酷な保護行政の姿があります。  厚生労働省が公表している資料では、全国の都道府県、政令指定都市の平成7年から平成17年にかけての10年間の保護率の伸びは北九州が最低で、他のすべての都道府県、政令市がプラスの伸び率であるのに、唯一15.8%ものマイナスです。  ところが、北九州市の状況はよそごとではありません。先ほど紹介いたしました厚生労働省の資料では、北九州市に次いで保護率の伸びが低いのが熊本県です。中核市で比較した過去10年間の保護率の伸びを見ると、熊本市が一番低くて14%、次に低い岡山市の28%と比べても、熊本の保護率の伸びは異常に低くなっています。北九州に次ぐという数値にはショックでした。  この10年間、相次ぐ増税や社会保障の負担増によって国民生活は大変厳しくなっています。所得が全国においても最下位ランクにございます熊本市で保護の伸び率が異常に低いのはなぜでしょうか。  第1に、熊本が北九州についで伸びが低いという現状を、市長はどのように受けとめておられますか。暮らしの最後のセーフティネットとしての役割が十分果たされていると思っておられるのでしょうか。  第2に、熊本市は、過去5年間、年間2,000件程度の相談件数がほとんど伸びていません。なるほどと思ったのは、市のホームページで検索しても、市政だよりを見ても、生活保護制度そのものや申請の仕方などが出てきません。生活保護に関する情報がだれにでも手に入る形で提供されていないわけですから、相談件数の少なさにもうなずけます。北九州市でも、ホームページを開けば福祉制度に生活保護が出てきます。北九州市は、相談に来た人を相談窓口で追い返す水際作戦でしたけれども、熊本市は制度を市民に知らせていないのですから、それ以上です。市長は、市民に制度を全く知らせず、保護の申請から遠ざけてきたことをどのようにお考えでしょうか。  市政だよりやホームページなど、だれでもが情報を得られる形での制度の周知徹底をすぐにでも行うとともに、申請書も窓口に置いて申請する権利を保障する条件をつくるべきではないでしょうか。  第3に、北九州市では、相次ぐ餓死、孤独死を受けて、ことし5月より市長の私的諮問機関として福祉分野の専門家による北九州市生活保護行政検証委員会がつくられて、10月に中間報告がまとめられています。ここでは、餓死に至った事例検証で、面接マニュアルによる水際作戦が問題になって、申請の意思をまず確認して、意思のある人には申請書を渡すのが原則であると指摘されています。現在開会中の北九州市議会におきましては、扶養義務を保護受給のための要件とするという、これまでの法解釈の誤りを認めて市が謝罪しています。  熊本市でも、保護支給決定で、必要以上に扶養義務にこだわって支給決定がおくれたり、窓口で帰されたり、保護を打ち切るなどの対応も行われていますので、扶養義務は保護受給のための要件という解釈は誤りであるとの見解を明らかにして、窓口に来た人には申請の意思があるかを相談員が必ず確認して、意思のある人には必ず申請書を渡すという対応をぜひしていただきたいと存じますが、いかがでしょうか。  第4に、北九州市の検討委員会報告では、ケースワーカーの専門性と経験が生かされる職員配置も指摘されています。ケースワーカーに占める福祉専門職採用の割合を他都市と比べますと、横浜市が100%、堺市46%、神戸市29%などに対して、熊本市は2.9%です。専門性の確保がおくれています。北九州市の餓死事例では、一度はケースワーカーも精神科の受診を勧めて精神的なサポートが必要だったとの判断をされた人を、健康な稼働年齢層の人と即断して、自立申し出を無条件に受け入れた対応の誤りや、高齢者や病人の場合は辞退の意思が表明されても、真意であるのか、本当に自立が可能であるかを確認する取り扱いが必要であると指摘しています。  このように、保護受給者の自立支援には柔軟な対応と高度な専門性が要求されます。本市でも、福祉業務への専門職の採用を進めて、人事異動についても経験の積み重ねを重視すべきではないでしょうか。  以上につきまして答弁を求めます。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  生活保護につきまして4点お尋ねがあったかと存じますが、私の方から本市の保護率についての見解、それから職員の配置について、以上2点につきましてお答えさせていただきます。  本市の保護率について、先ほど少し紹介もあったところでございますが、他都市と同様に増加傾向にございまして、特に昨年度からことしにかけましては急速な伸びを示している現状にございます。特にその中でも、病気あるいは障害のため生活困難になられる方や、さらには高齢のために就労ができなくなったり、また、離婚等による母子家庭からの申請、こういったものが主な理由となっております。本市の厳しい現状というものをうかがい知ることができます。  また、先ほどお話がございましたが、マスコミ報道を通じまして、生活困窮により亡くなられた、そうした記事を見ますと、生活保護というものが国民生活の最後のセーフティネットであること、それと同時に、福祉行政における責任の重さというものを改めて感じさせられるところでございます。今後もその責任の重さを認識し、でき得る限りきめ細やかな対応に努めます中で、保健福祉の充実にさらに努めてまいる所存でございます。          〔議長退席、副議長着席〕  次に、職員配置についてでございますが、83名のケースワーカーのうち78名は専門職と同等の社会福祉主事資格を有しておりまして、それ以外の職員でございますが、通信教育により資格取得を行いますことで、より専門性の高い助言指導ができる体制といたしております。一方におきましては、福祉専門職の採用あるいは福祉専門職と位置づけた職員の配置を検討いたしますとともに、人事配置につきましても、福祉などの経験年数等を十分に考慮した上で配属してまいりたいと考えております。          〔谷口博通健康福祉局長 登壇〕 ◎谷口博通 健康福祉局長  私の方から生活保護制度の周知徹底と生活保護申請権の保障についてお答え申し上げます。  まず、生活保護制度の周知につきましては、現在、熊本市ホームページの中の生活便利ブックに掲載しておりますが、今後、市民の皆様方によりわかりやすくごらんいただけるように改善をいたしますとともに、市政だよりの活用も行ってまいりたいと考えております。  次に、生活保護申請権の保障についてでございますが、生活保護の申請につきましては、個々のケースに応じて制度の十分な説明が必要でありますので、従来より相談室において専門の相談員がケースの事情をお聞きして、そして申請意思を確認した上で申請書を交付しております。  今後とも保護の実施につきましては、適正に対応してまいりたいと考えております。          〔16番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  生活保護につきましては、最後のセーフティネット、命綱としての重要性をしっかりと御認識いただきたいと存じます。  次に、子育て支援について順次お尋ねしてまいります。  初めは保育です。本市では、2003年に実施された保育需要調査に基づいて、2005年度から2008年度の4カ年にわたって市内に90人定員の保育園を5カ所新設・認可し、来年までに450人の定員増の計画です。  このように、かつてなかった取り組みをしましたが、ことし4月現在、市内の待機児童は、保留児童数まで合わせると694人、年々ふえ続ける保育需要の中で、待機児童対策はいまだに深刻です。現在、今年度実施の保育需要調査が取りまとめられているとのことであり、その結果も踏まえて、保留児童数も含めた待機児童の解消につきましては強く要望いたします。  昨年の一般質問でも要望いたしました第3子以降の保育、幼稚園利用料の無料化は、県が同時入所の要件を外して補助するよう改善しました。これによってことしから熊本市を除く47市町村のうち35市町村が既に無料化を実施し、来年度は残った市町村のうちほとんどが実施を検討しており、残るは4市町程度になる見込みです。熊本市は、中核市外しのために県補助はありませんが、実施しなければ乳幼児医療費無料化と同様に取り残されてしまいます。  9月議会では、健康福祉局長より、保育料が他都市より安いので保育需要調査の結果を見て検討すると言われましたが、保育需要調査の結果を見るまでもなく、どんな調査でも、子育て世帯の一番の願いが経済的負担の軽滅なのですから、すぐにでも実施すべきではないでしょうか。  また、年々ふえ続ける保育需要の中で、多数の待機児童、保留児童を残したまま本市の保育の中で、2,000人を超える子供たちを受け入れて日々の保育に当たっている認可外保育園の果たしている役割の大きさは市長も御存じのとおりです。  11月に1万2,612筆の署名を添えて市長への要望書が提出された折、参加されていたお一人は助産師で、24時間いつ仕事が入るかわからない、朝早く、夜遅く、周りの協力も得て仕事と子育てを両立しているが、不規則な仕事に臨機応変に対応してくださる認可外保育園がなければこのような仕事はできないと言われていました。  認可外保育園への支援の充実は市長の大きな公約です。毎年毎年たくさんの署名を携えて市長に要望に来られる保護者あるいは現場の先生方の思いをどのように受けとめておいでなのでしょうか。他都市と比べても、認可外保育園への助成は決して多くありません。中核市でもかなりの自治体で行われております運営費の助成を初め、乳児保育や第3子以降の子供たちの保育料の負担軽減への助成、施設整備への助成など、次年度予算の中で具体的な支援をぜひ検討すべきではないでしょうか。  続いて、子供の医療費無料化についてお尋ねいたします。  子供の医療費無料化については、今年度より、就学前に引き上げられて、現場から大変喜ばれています。しかし、周辺の町村では、嘉島町が小学校6年生まで、合志市、菊陽町、益城町などの隣接自治体の多くや一緒に都市園ビジョンを構成している大津町などは小学校3年生まで引き上げています。また、福祉に冷たい石原都政でも、少子化対策の重点として現行6年生まで無料ですが、さらに都議会では中学校までの無料化を検討することを表明されています。  政令市でも、入院については、ことし春に政令市へと移行した新潟市が小学校6年生まで、横浜市、川崎市も中学校まで無料です。しかも、本市は来年度の組織改編の中で、子ども未来局を創設して、より子育てへの支援を明確にしていきます。その位置づけからも、他都市におくれた医療費無料化を拡充すべきではないでしょうか。小学校6年生までの無料化を急ぎ進めることを目標に、当面は小学校3年までの無料化をぜひ実施していただきたいと存じますが、いかがお考えでしょうか。  また、本市が利用者に求めております自己負担につきましても、県下の市町村のほとんどが取っていません。熊本都市園ビジョンを構成している自治体で自己負担があるのは合併が決まった富合町だけです。熊本都市園の一体的発展を進める上で、その中心となるべき熊本市だけが周辺自治体におくれていいのでしょうか。  自己負担額は約1億円です。合併や政令市への移行につぎ込もうとしている数百億円規模の投資に比べればわずかな金額です。しかも来年度は、その評価は別にいたしましても、国の医療制度改革によりまして助成額が2億2,000万円程度減額になる見通しがあるそうです。自己負担をなくしてもおつりが来ますから、自己負担撤廃の絶好のチャンスです。このチャンスを生かして、来年度から自己負担をなくしてはいかがでしょうか。  また、妊婦健診の公費負担拡大につきましては、午前中の質問にもありましたが、局長の答弁には少し驚いています。厚生労働省が拡充を求める通知を出して1年、既にことしより公費負担の回数をふやした自治体が、全国で316、17.3%もあります。今年度じゅうにふやす予定の自治体、来年度以降にふやす予定で検討している自治体を加えて、来年度から公費負担の拡充を図る自治体数はおよそ8割、各自治体の首長がそれを表明されています。  また、国からは、妊産婦健診の公費負担拡充のために、今年度から少子化対策費として、本市にも交付税で新たに1億3,700万円が算入されています。現行の2回の公費負担を5回にふやすために必要な費用は9,700万円ですから十分に足りる金額です。しかも本市は、自治体病院が2カ所も赤ちゃんにやさしい病院の認定を受けて、母体にも子供にもやさしい医療を提供する先頭に立って取り組まれています。次年度からは、子供分野の施策拡充と子ども未来局の設置も検討されています。それなのに、他の自治体が早々にやっている当然すべきことをいまだに検討中とはどういうことでしょうか。一体この1年間、何をやって来られたのでしょうか。これまでの検討結果を御説明ください。厚生労働省が原則だと言っていることですから、熊本市も来年度実施を今の時点できちんと表明すべきではないでしょうか。  以上、子育て支援につきまして、幸山市長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  社会保障につきまして何点かお尋ねがございましたので、順次お答えさせていただきます。  まず、保育に関する2点のお尋ねにつきましてお答えさせていただきます。  まず1点目の保育料の負担軽減についてでございますが、安心して子供を産み育てるためには、子育て世帯への経済的支援は少子化対策として大変重要であると認識いたしております。  本市の保育料につきましては、従来、国基準に比べまして、約3割程度軽減しておりまして、さらに本年度、国の通知によりまして、第2子、第3子の保育料の軽減策を新たに幼稚園等まで拡大したところであります。お尋ねの第3子以降の無料化についてでございますけれども、保育需要調査における多子世帯の状況等を踏まえまして検討してまいりたいと考えております。  2点目の認可外保育施設への支援についてお答えさせていただきます。  まず、認可外保育施設への思いということでございますけれども、これまでも繰り返し申し上げてきたところでございますが、認可外保育施設は、いわゆる保育に欠ける児童ばかりではなく、さまざまな児童を受け入れていただくことによりまして、本市における子育ての一端を担っていただいているものと認識いたしております。  そのようなことから、認可外保育施設への助成につきましては、これまで園児賠償責任保険、職員研修費に加えまして、児童や職員の健康診断等の助成を実施し、段階的に拡充を進めているところであります。今後の認可外保育施設への支援についてでございますが、先ほど御紹介いたしました保育需要調査に加えて認可外保育施設の実態調査を行っており、その結果を踏まえ、支援のあり方につきまして検討してまいりたいと考えております。  続きまして、乳幼児医療費助成制度の拡充につきましてお答えさせていただきます。  乳幼児医療費助成制度のさらなる対象年齢の拡大についてということでございますが、御案内のように本制度は本年4月から医科外来及び歯科につきまして、助成対象年齢を小学校就学前まで拡充したばかりでございますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。  また、自己負担につきましては、現在、医科は3歳以上、歯科につきましては5歳以上で、1カ月当たり1医療機関につき500円を負担していただいているところでありまして、過重な負担をかけない程度の額を設定しているところでございます。  最後に、妊婦健康診査の公費負担の拡充につきましてお答えさせていただきます。  これも午前中に健康福祉局長が藤岡議員に対しお答えをしたところでありますが、妊婦健康診査は、母体や胎児の健康を確保します上から、また、増加傾向にあります早産予防のためにも、その重要性あるいは必要性が高まっておりまして、経済的理由等により受診を控えることがないよう、その負担軽減を図っているところでございます。現在、本市における公費負担のあり方につきまして、その拡充に向けて検討しているところでございます。          〔16番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  ただいまの答弁にはちょっと驚きました。きょうはびっくりすることが大変多いですけれども、子育て支援は、市長の戦略ターゲットだったはずです。しかし、第3子以降の保育園児の保育料無料化は、次年度より熊本市を除く県下47市町村のほとんどが実施するのに対し、熊本市は行わない。県下での最低は乳幼児医療費の無料化だけかと思っていたら、保育も最悪です。県下では、ほとんどの自治体が取っていない子供の医療費の自己負担も一向にやめない、これでは恥ずかしいと思います。  これで政令指定都市だとか九州の州都だとおっしゃっても、周辺の自治体から笑われます。また、認可外保育園への支援が一歩も足が出ないというのは公約違反ではないのでしょうか。妊婦健診については、厚労省が方針を出して1年、今の時点で方向も出せないようでは、その行政能力が問われます。政令指定都市に移行するためには、自治体の相当の力量もその要件となりますが、そういう点でもいかがなものでしょうか。最低5回は次年度実施すべきですし、望ましいとされる14回についても将来的に実施する見通しを示すべきであることを指摘いたします。  ただいま社会保障の各分野の問題についてるるお尋ねしてまいりました。これらの分野で多くの市民が痛み、苦しみの中で生活していることの大もとには、国の改革路線があります。交付税の削減や補助金カットなど、三位一体改革は社会保障制度を直撃してきました。  本市でも、平成16年度から平成18年度の3年間に、児童扶養手当、公立保育所の国庫負担金、養護老人ホーム、軽費老人ホームヘの補助や負担金など、健康福祉部門だけでも34億8,000万円もの補助金が減らされています。国民健康保険、介護保険、障害者自立支援法、そしてこれから実施の後期高齢者医療制度にいたしましても、財界の意向に沿って利用者への負担増とサービスの切り捨てだけが政府の目標です。この方向を変えることなしに市民の痛みを取り除くことはできません。同時に、国言いなりの市の改革路線につきましても、方向転換が必要です。  熊本市では、この10月にお母さんが知的障害を持つ子供さんの首を絞めて殺人未遂で捕まるという痛ましい事件が起こっています。そのお母さんは、子供の看病に疲れた。自分も死ぬつもりだったと供述されています。同じように、重度障害を持つ子供さんを育てているお母さんも自立支援法が始まって負担がふえ、サービスが思うように利用できず、夜も眠れない。つい子供の首に手がいきそうになると話しておられましたが、それが不幸にも現実になったような事件でした。  このような事件を再び繰り返してはなりません。住民の声に真摯に耳を澄ますならば、社会保障の分野で受益者負担という発想にはならないのではないでしょうか。市長には、そのことをしっかりと御認識いただきたいと存じます。  それでは、続いて教育問題についてお尋ねいたします。  ことし6月に出されました教育再生会議の第二次報告におきましては、徳育の教科化、教育予算の効率化徹底、授業時数の10%増や教員評価による教員給与の格差などが打ち出されています。しかも、教育再生会議には教育研究者を入れず、マスコミ非公開という密室での審議など、従来の審議会では考えられないような運営のもとでの論議が行われました。こうした会議が、前首相の戦前回帰的な発想や財界の競争至上主義の考えに沿って、教育再生を考案しても教育がよくなるのか疑問ですし、むしろ現場を混乱させるのではないかと思わずにはいられません。  これに対して、全国都道府県教育委員長協議会、全国都道府県教育長会議の連名で、教育再生会議第二次報告に対する意見が表明されています。第二次報告は、今後の国全体の教育の方向性、具体的な取り組みにも大きく影響してくるものと思われます。そういう意味では、この第二次報告の内容を今後国が検討していく上においては、子供を実際に教育する現場を預かる各自治体の教育委員会が、現在の子供たちを取り巻く厳しい社会状況のもとで、教育現場の抱えるさまざまな課題について、その問題点を現場からの正確な現状分析や実証データに基づく問題点の探求と原因の徹底した分析を行い、地域の実情として論議の過程に反映させるべきであると考えます。  そこで、今後の教育改革の動向に子供を預かる現場として決定的に重要になってまいります市教育委員会に、教育の基本にかかわる問題についてお尋ねいたします。  第1に、教育再生会議では、設置当初から学力向上を掲げ、今回の第二次報告でもこの点が強調されています。そこで、今日言われる学力低下の要因はどこにあるとお考えでしょうか。また、その解決のために教育現場で取り組むことは何でしょうか。  第2に、日本の高校1年生が昨年受けましたOECDのPISA国際学習到達度調査の結果が先日公表されています。今回の調査は科学が中心でした。その中で、日本の生徒は、科学に興味や楽しさを感じず、科学を必要とする職業につきたいと思う割合も大変低く、科学への関心は、調査をいたしました57カ国中、最低という評価でした。日本の高校生がさまざまな現象を科学的に説明したり、あるテーマについて科学的調査で答えが出るかどうかを考えるなど、論理的な問題が苦手で学ぶことへの意欲が低いのはなぜでしょうか。このPISA調査で、3回連続1位となったフィンランドの教育とどのように違うのでしょうか。お考えをお聞かせください。  第3に、学力低下問題がクローズアップされてまいりましたのはPISA調査がきっかけとなっています。今の子供たちには、自分の力で考え、得た知識を生きる力として応用していく、そのことがとても必要だと思いますが、ことし4月に実施されました全国一斉学カテストは、そのためにどのように生かされるのでしょうか。  第4に、子供の全面的な発達を保障するための学力の向上には、真のゆとりある教育が必要です。そのためには、教職員が子供たちにしっかりと向き合って教育に取り組まなければなりません。忙しい日々の教育実践の中で、それを保障するための条件としては、根本となる教職員配置の充実とそのための財源措置の拡充が何よりだと思いますが、いかがお考えになりますか。  以上、教育の基本にかかわる考え方に関して、教育委員長にお尋ねいたします。          〔黒澤和教育委員会委員長 登壇〕 ◎黒澤和 教育委員会委員長  教育改革について4点のお尋ねにお答えいたします。  まず1点目の学力低下の要因についてでございます。今日、OECD等の学力調査の国際比較から子供たちの学力低下の指摘がなされておりますが、私自身は、学力低下というよりむしろこれから生きる力としての観点から学力不足という受けとめ方をしております。  どのような点が不足しているかと申しますと、それは自主的に課題に取り組む意欲や、論理的に考えたり表現したりする力などの不足であり、その要因としては、社会の変化に伴う体験の不足や人間関係の希薄化、家庭や地域の教育力の低下といった問題が考えられます。中でも、子供たちの学ぶ意欲につきましては、学力不足の大きな要因であると受けとめております。  したがいまして、子供たちが学ぶ意欲の向上を図るためには、教科の知識が実際の社会とどうつながるかを多くの学習場面を通して体得させながら、子供みずからが学ぶことの意味を実感していくことが何よりも必要なことであると考えているところでございます。  そこで、学校現場におきましては、単に基礎的な知識の暗記と操作に終始するような学習に偏ることなく、実際の体験を通して学ぶことや子供同士がコミュニケーションを図りながらともに学び合うことを大切にした教育を進めていくということがその解決につながるものと考えております。  次に、2点目の日本の高校生が科学的に説明したり、論理的に問題を解決したりすることが苦手で、学ぶことへの意欲が低いこと、さらに日本とフィンランドの教育の違いに対する質問にお答えします。  まず、科学的なものに興味を示さない、いわゆる理科離れにつきましては、効率を優先する社会の風潮や知識中心の教育に問題があったのではないかと考えております。理科の授業においても、授業時間が足りないことを理由に観察、実験の結果を考察する学習活動など、子供は、みずから考え、みずから学ぶという場面が不足しているのではないかと感じております。  論理的に思考する能力を育てるためには、一つ一つの事象をじっくり観察し、考えるために必要な時間が欠かせません。学校の授業時間に関する国際比較調査から日本とフィンランドの違いを見てみますと、学校行事や特別活動を除いた中学校3年間の教科関連授業時間は、フィンランドの方が150時間ほど多く、その分、科学的応用力にかける時間も多いのではないかと思われます。この違いも調査結果に影響を与えたのではないかと考えます。  次に、3点目の全国学力学習状況調査の結果の活用についてでございますが、その結果を見てみますと、知識の習得につきましては、おおむね良好であるものの知識を活用することにつきましては課題があるということが明らかになっております。具体的には、日常生活の中から情報を正確に読み取ったり、情報をもとに説明したりする力が十分とはいえないことなど、幾つかの課題が明らかになってまいりした。  したがいまして、今後は、子供たちができるだけ実際に不足した教材に触れたり、体験したりしながら学ぶことが大切であり、そのような中で、習得した基礎的な知識を課題や目的に応じて使いこなす力へと発展させていくことが求められているかと存じます。
     そこで、現在、今回の調査結果が生かされて、次期学習指導要領の改定が進められておりますし、学校現場におきましても、知識を活用することを大切にした授業づくりが議論され、今後そのような取り組みが広がっていきますことを心から期待しております。  最後に、4点目の教職員配置の充実でございますが、私は、教育の場におきまして、教職員がしっかりと子供たちと向き合う必要があると考えております。そして、そのためには、教職員配置の充実と財源措置の拡充が重要な問題であると認識しております。  本市におきましては、独自の事業として平成18年度から小学校3年生へ少人数学級を導入し、今年度は4年生まで拡大いたしました。また、教員の授業力の向上を図るため、現在、常勤の支援員2人と非常勤の支援員11人を配置し、学校の取り組みを支援する授業力向上支援員派遣事業を始めています。  さらに、教頭の業務をスムーズに遂行し、子供への学習指導をはじめ、学校教育の充実を図るため、中学校教頭教科について非常勤講師を配置するなど、きめ細かな教育を提供するための努力を行っております。しかしながら、子供たちの学力や教師の授業力を高めるためには、県費負担教職員の配置のさらなる充実が重要であり、教職員配置と財源措置の問題につきましては、本市として今後も任命権者である熊本県教育委員会に対しまして強く要望してまいりたいと考えております。          〔16番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  教育は、直ちに点数化できないような人間の力量の形成も課題にしています。むしろそちらの方が重要です。もともと学力低下問題がこれほどまでにクローズアップされてきたのはOECDのPISA調査ですが、その学力理念は、自分で物事をしっかり考え、自分の生活の中で知識を応用していくというものです。そして、育てるべき人間の基本能力を知識を身につけて使いこなす力、コミュニケートして、つながり参加し共同する力、目的を把握して見通し、計画する力、この3つに規定しています。しかし、テストではかられるのは最初のリテラシーだけだということです。  ということは、テストに偏重した教育が、子供たちの全面的な成長をむしろ妨げることになるわけです。日本の子供たちは国連子どもの権利委員会から過度の競争によるストレスを再三にわたって指摘されながら、文部科学省がそれを無視し続け、ますます激化する競争と貧困な教育環境のもとに置かれています。学力世界一のフィンランドの子供たちは、20人学級で習熟度別学級を編制し学カテストをやめ、教員には教育の専門家としての自由と自主性を保障し、授業時間は日本より短く、夏休みは宿題なしで2カ月あるなど、余暇や遊びによる人間形成を重視した教育の中で育っています。日本の子供たちとフィンランドの子供たちを比べると、何が大切なのか考えさせられます。  OECDの発表で日本の教育予算は、加盟国の中で、ギリシャに次いで最下位から2番目、貧困です。一方、全国一斉学カテストで子供たちを競争だけに駆り立てることには疑問です。  以下、具体的にお尋ねしてまいります。  第1に、教育委員長もお述べになりましたように、教育現場にとって何よりも必要なのは人の配置です。この間、幸山市長のもとで人的配置拡充に意を尽くされ、小学校4年生までの35人学級が実現しています。しかし、議会に繰り返し出される請願や陳情などにもありますように、現場にはさらなる拡充を求める声が強くあります。  私にも中学生の子供がいますが、子供たちの様子を見ますときに、中学生にこそ丁寧なかかわりが大切だと思わずにはいられません。中学校1年生の少人数学級は、小学校からの移行の時期で、きめ細かな指導が必要であると市の検討委員会報告も指摘しており、昨年11月の市長選挙で、幸山市長も中学校1年生の少人数学級を含めた少人数学級の拡充を1年以内に実現と公約されています。どのように取り組んでいかれるのでしょうか。  2つ目には、言うまでもなく、教育行政の任務は教育環境の整備です。小中学校の冷暖房設置は要望を繰り返していますが、PTA頼みの域を出ていません。しかし、普通教室の冷暖房設備も平成15年度に施設整備関連の補助金が見直されて、それまで特別教室にしか認められていなかった冷暖房施設への補助が普通教室にも認められています。補助対象になったということは、冷暖房整備の必要性を国も認め、行政としてやるべき仕事と位置づけたわけです。PTA頼みではいけません。この補助を活用して、順次計画をつくり、普通教室への冷暖房設置を進めていただきたいと存じます。  特に、障害児学級の冷暖房については緊急性があると思います。障害児をお持ちのお母さんから、夏場の余りの暑さに子供がパニックになって教室にいられないという声が届きました。せめて特別支援学級には冷暖房の設置を緊急に検討していただけないでしょうか。  また、小学校は、地域の交流でも、防災上も中学校以上に拠点です。今年度中学校へ設置されたAEDについては、次年度は是非小学校に設置していただけないでしょうか。  以上につきまして、市長ならびに教育長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  教育問題に関しまして、私の方から少人数学級拡充に向けた取り組みにつきましてお答えさせていただきます。  本市におきましては、先ほど御紹介もございましたが、少人数学級に関する検討委員会の報告を踏まえまして、平成18年度から本市独自に小学校3年生に35人学級を導入し、本年度小学校4年生まで拡大したところでございます。また、中学校への少人数学級の導入につきましては、現在、教育委員会におきまして、学級数増に伴う教員の確保あるいは教室の整備などの課題の洗い出しや導入における経費試算、また、他都市の調査等を行うなど検討がなされているところであります。  今後、小学校の少人数学級における学習面、生活面の成果や課題、さらには指導法の共有化などについての検証を進めまして、中学校への少人数学級、少人数指導の導入につきまして、具体的に検討を進める必要があると考えております。          〔小牧幸治教育長 登壇〕 ◎小牧幸治 教育長  私の方からは、学校施設整備についての2点のお尋ねにお答えいたします。  1点目の普通教室への冷暖房設備の設置につきましては、議員御案内のように、平成15年度から環境に配慮した空調施設について国の補助対象となっているところでございます。しかしながら、学校施設の整備につきましては、平成18年第2回定例市議会でお答えいたしましたように、児童・生徒の生命安全にかかわります喫緊の課題となっております学校施設の耐震化や老朽化に伴います施設改修等を推進する必要がございます。本市の財政状況が一層厳しさを増す中で、普通教室への冷暖房設備につきましては、設置に膨大な経費を要することから、実現は難しいものと考えております。また、特別支援学級への冷暖房の設置につきましては、検討課題にさせていただきたいと考えております。  次に、2点目のAEDにつきましては、本年度全中学校に設置したところでございます。教育委員会といたしましても、緊急時の救急措置の観点から小学校への設置につきましても十分重要性を認識いたしております。小学校へのAEDの設置につきましては、今後の計画も含め検討いたしているところでございます。          〔16番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  ただいまの答弁では、中学校の少人数学級は、課題の洗い出し、経費の試算、あるいは他都市の調査をやっている、今後は小学校の検証を進めて、検討を進める必要があるということでした。  しかし、市長は、昨年の市長選挙で1年以内に実現する課題として中学校1年生の少人数学級をマニフェストとしての公約に掲げられています。マニフェストは、従来の選挙公約とは異なり、具体的な施策、実施期限、数値目標を明示して有権者に対して約束するものです。当然、財源も考えてのことです。  市長は、前期中に、専門家や市民も入った検討委員会も行って、中学校1年生の少人数学級は効果があると判断してマニフェストに掲げたのではありませんか。今さら検証では公約違反ではないでしょうか。昨年10月31日付、幸山ノートには、市長選公開討論会についてこれまでの行政改革を批判ばかりして、予算を伴う事業を羅列している人の話を聞いていると、その無責任さに腹が立つと書かれています。私は、今の答弁を聞いて、市長が書いたこの文章を思い出しました。人のことは無責任と批判して、自分は平気で公約違反とはいかがなものでしょうか。  今、この場で1年以内にやると約束した中学校1年生の少人数学級実現について明言していただかなければ、幸山ノートはそっくりそのまま市長にお返しいたします。答弁をお願いいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  確かに公約の中には少人数学級の導入につきまして、小学校4年生、中学校1年生を対象として、1年以内に実現ということで掲げております。そういう中におきまして、現在1年を経過し、小学校4年生の導入につきましては、議会でも御同意をいただきまして実現させていただいているところでありますけれども、今、御指摘の中学生の分につきましては、まだ実現できていない現状にあるわけでございます。  そういう意味では、期限を示しておきながら、それが達成できていないということにつきましては、公約を掲げましたときの精査不足と言わざるを得ないかというふうに感じておりますけれども、しかしながら、小学校に少人数学級を導入いたしましたときにも検討委員会を立ち上げましたり、あるいはモデル校を指定させていただきましたり、そういう中で効果等を十分検証しながら進めてまいったところでございます。  そういう中におきまして、現在、小学校1年生から4年生まで取り組ませていただいておりますその実態、効果等を十分に検証し、そして中学生に当てはめました場合に、より効果の高いあり方というもの、それを今、教育委員会の中で検討していただいているわけでございますので、私としましても何とか実現をさせたいという思いはあるわけでございますが、しっかりとその過程を踏みました中で、取り組み、実現することができればと考えております。  公約の未達成につきましては、またいずれかの段階におきまして、厳しい御指摘やあるいは検証もあろうかというふうに思いますので、この場でもそうですし、そうした場におきましても、しっかりとその説明責任というものは果たさせていただきたいと思っております。          〔16番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  今、市長は精査が不足していたというふうに言われました。こうなってくると、市長に一票を投じた方の有権者の思いはどうなるのでしょうか。マニフェストに掲げたことをきちんとやらないということでは、マニフェストの意味がないと思います。そのことを市長はどのように思われますか。再度お答えください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  マニフェストといいますか公約につきましては、上野議員もよくお読みいただいているようでございますけれども、81項目につきまして掲げさせていただいているところでございます。そういう中で、1年以内に実現あるいは4年以内に実現、さらには4年以内に着手ということで期限も明示させていただいているところでございますが、1年経過した中におきまして、先般、その検証大会を第三者あるいは事務所主催でも開催させていただいているところでございます。  確かに、1年経過をしました中で100点はいただいているものではございません。まだまだ未達成のものも、このことに限らず幾つかあるわけでございますけれども、しかしながら、この任期中におきまして、その達成に向けまして全力で取り組んでまいる所存でございます。          〔16番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  公約は政治家の命です。少人数学級だけではなく認可外保育園への支援も含めて、予算を伴う事業は手つかずとは67万市民のトップとして大変残念に思います。個を育む学校教育の推進は、まちづくり戦略計画の戦略ターゲットです。なのに教育予算は年々減り続けています。教育費のうち、熊本城や現代美術館などを除いた教育現場の予算が、幸山市長の5年間、予算ベースで23億円も減って総予算に占める割合はことし10%を切っています。抜本的な教育予算の拡充を強く要望いたします。  それでは、続いて、駅周辺のまちづくりについてお尋ねいたします。  私は、東A地区再開発問題につきまして、6月議会では事業提案競技の結果を踏まえて、熊本の陸の玄関、熊本駅前に森ビル都市企画の建設する超高層マンションがふさわしいのか、その問題点を指摘し、また9月議会では、図書館機能を中心とする東A地区の公共施設が指定管理者制度導入によって、その管理運営が民間丸投げとなることの問題点も指摘しております。  しかし、いずれの点でも、納得のできるようなまともな回答もないまま、東A地区再開発事業は、平成23年春の新幹線全線開通時のオープン予定から逆算して、既に基本実施設計が始まって、6月には設計完了の予定、一方で、用地買収も今年度じゅう完了を目指して進められています。  私どもが再三にわたって住民への徹底した情報公開と説明責任を果たすことや市民合意を得ることを指摘してきたにもかかわらず、それを振り切って、事業は急ピッチで進められています。本当にこれでよいのかと思わずにはいられません。  10月20日に、NPO法人くまもと地域自治体研究所の主催で、駅前開発を考えるシンポジウムが聞かれています。参加者から初めてシンポジウムに来て、駅前再開発のことを知りました。公共の場になぜマンションか大問題である。漱石が森の都と言っただけで樹木がほとんどないのが実情、大都市の中に空間をつくることこそ文化であると思う。市民的論議になっていないことが一番の問題。市民参加の論議が必要。高層マンションはペケになると思うので、ダイレクトに市民に投げかけて、何かをすることが必要。などの声がありました。  そこでお尋ねします。  第1に、先ほど紹介しましたシンポジウムの声にもありますように、依然として市が税金を投入してまで、なぜ駅前に高層マンションを建設する必要があるのかという声があります。駅前の図書館構想から始まった東A地区再開発事業は、その後、情報交流施設になって、事業提案競技の後は床面積に占める公共施設の割合はわずか16%となって高層マンションが再開発事業の主役となりました。  これまでの東A地区再開発事業の説明には、どこを見てもマンションや居住という言葉はなく、高層マンションヘと変わり果てた再開発事業に市民が疑問を持つのも無理はないと思います。超高層マンション建設について市民合意が得られていないということについてどのようにお考えでしょうか。今からでも市民への説明責任を果たして合意を得るべきではないでしょうか。  第2に、駅前にそびえる高層マンションが情報交流施設と一体となって建設されることのメリット、デメリットについてどのようにお考えでしょうか。  そして第3に、全国どこに行っても、駅前や中心市街地では、大型の再開発事業が行われています。先日、教育市民委員会で視察にまいりました東京都豊島区の中央図書館は、東京メトロ東池袋駅前に建設された再開発ビルの中にあります。地下鉄からの連絡通路でつながって、地上42階の住宅棟と地上15階の業務棟からなっています。住宅棟の下には店舗、業務棟には図書館、ホール、民間オフィスが入っています。また、新幹線岐阜駅前には、42階建て高層マンションが一体となった再開発ビルがオープンしています。  最近は、高層マンションが床の大半を占める再開発ビルの建設が、全国的にも大はやりです。熊本市の進める東A地区再開発事業の内容を見ましたときに、どこがこれらの再開発事業と違うのかと思いました。駅舎は、熊本らしさをイメージした安藤忠雄氏の設計によって建設されます。駅におり立ったときに、目の前に、六本木なのか、池袋なのか、岐阜駅前なのかわからないような超高層の再開発ビルがそびえ立っていて、新幹線で熊本に来た人が熊本らしさを感じることができるのでしょうか。熊本の陸の表玄関、熊本駅前に一番求められるのは熊本らしさではないでしょうか。高層マンションと化してしまった再開発ビルのどこが熊本らしさだと説明されるのでしょうか。  そして第4に、午前中の答弁にありましたが、東A地区の用地買収は大変難航していたと伺っておりましたが、6割が取得されたということであります。今12月議会には、東A地区再開発事業について1億9,770万円の実施設計予算も提案されており、買収見通しがついたとの判断かと受けとっています。  しかし、今回、私は、現況での土地や建物の登記簿謄本を拝見する中で、簡単には用地買収ができないと思われる権利関係がありました。現在、用地買収の上でどんな問題が生じているのか、また、それをどのように解決していくおつもりなのかお伺いしたいと存じます。  以上、駅前東A地区再開発事業について、4点にわたって、幸山市長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  駅前東A地区市街地再開発事業に関します4点の御質問にお答えさせていただきます。  まず、高層住宅の建設について市民の合意を得るべきではないかとのお尋ねでございますが、熊本駅周辺地域におきましては、平成17年に策定いたしました熊本駅周辺地域整備基本計画、この中におきまして、商業業務施設や拠点的施設とあわせまして住宅を整備することで、にぎわいと安らぎのあるまちづくりの実現を目指すことにいたしております。  また、先般、国から認定をいただきました中心市街地活性化基本計画の中におきましても、人々が活発に交流し、にぎわうまちづくりの実現方策といたしまして、まちなか居住を推進しているところでございます。こうした中、この高層住宅でございますが、事業提案競技によりまして選定されました建設業務代行者から提案されまして、審査委員会におきましても定住人口の増加などに期待が持てると評価されたものでございます。  また、これまで熊本駅前東A地区の再開発事業につきましては、事業提案競技の提案内容も含めまして、熊本駅周辺地域まちづくり推進協議会などにおきまして、市民代表を初め、各界、各層の皆様から御意見をいただきますとともに、この市議会におきましても活発な御議論をいただきながら進めてまいったところでございます。  なお、高層住宅も含めまして、この再開発事業につきましては、地域の住民会議や住民説明会などにおきましても、熊本駅周辺の定住人口の増加やにぎわいの創出につながる施設との期待も寄せられているところでございまして、私もさまざまなシンポジウムや会議、また、テレビ、雑誌などの取材を通じまして、東A地区の再開発事業を紹介させていただき、市民の方々には御理解をいただきながら事業を進めてきていると考えております。  次に、高層住宅のメリット、デメリットについてでございますが、この市街地再開発事業は、高層住宅の建設だけではなく、市が整備いたします情報交流施設を核として商業施設や業務施設、さらにはにぎわい空間の創出としてのコミュニティウォークの整備など、それぞれの施設の相乗効果によりましてにぎわいを創出するものと考えております。また、高層住宅棟の建設でございますが、中心市街地における定住人口の増加とあわせまして、多様な住宅ニーズへの期待が持てるものと考えております。  次に、熊本らしさについてでございますが、これまで森の都、水の都とうたわれてまいりました豊富な緑や水といった自然の資源でございますが、他の大都市にはない本市の大きな魅力でございまして、熊本らしさであると認識いたしております。  この熊本駅周辺地域におきましても、そういった資源を最大限に活用いたしますために、花岡山や万日山の緑、そして白川や坪井川などの水、こうしたものを生かしながら緑の街並みの中を市電が走る美しい空間や坪井川際の回遊空間などの新たな都市空間の形成を目指しているものでもあります。  そのような中で、東A地区の市街地再開発事業では、ランドマークともなります高層住宅と水や緑をしつらえましたコミュニティウォークなどによりまして、建物と熊本らしい緑あふれる景観が調和した新しい熊本の顔づくりを進めてまいりたいと考えております。さらには、清冽な地下水や豊かな食文化を交流広場や情報交流施設で広く紹介することなどによりまして、市民には熊本のよさを再認識していただきますとともに、観光客等の皆様方には新たに熊本のよさを知っていただく、そのような情報発信や仕掛けも大変重要ではないかと考えているところでもあります。  最後に用地取得につきましてのお尋ねでありますが、現段階におきまして、用地取得ができていない物件といたしましては、相続を含めまして、複数の権利者がおられます物件でありますとか、あるいは転出するか残留するかを迷っておられる権利者の物件などがございますが、午前中にもお答えいたしましたように、今後も引き続き権利者の皆様とお話しさせていただきますとともに、事業への御理解をいただきながら、年度内には用地取得のめどをつけたいと考えているところであります。          〔16番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  今回の再開発事業が当初の計画から想像もできなかった高層マンションとなり果てたにもかかわらず、住民への徹底した説明や住民合意を得る意思がない、市民協働と言いながらこれでは信頼ある市政運営はできないと思います。高層マンションのメリットとして、多様な住宅ニーズへの対応と言われました。けれども、これも市民感覚が欠落しています。  先日、入居が決定しました市営画図重富団地第3期の募集には、定員の16.8倍、1,478人の応募がありました。その9割近い1,289人もの人は、市営住宅入居者でも収入が一番低い人たちです。今、熊本市民の住宅ニーズというならば、所得の少ない人々に低料金で良質の公営住宅を供給することではないでしょうか。  官民一体となって駅前の再開発を進め、再開発ビルに公共施設が入って床を埋めるというのが全国的にも再開発の常套手段です。しかし、専門家からは、都市の玄関駅前が、交通広場、歩行者デッキ、マンション等のセットといった全国画一的な市街地景観や機能配置となって、地域や都市の個性が薄まっている。これは今後の都市間、地域間競争への対応や地方定住の促進に不可欠な魅力的な都市づくりにとってはマイナスであると同時に、市民の理解も得られないと指摘されています。  先ほど紹介いたしましたシンポジウムにおきましても、パネラーのお一人で大分県臼杵市の水あかりによるまちおこしにかかわられた先生は、駅周辺の歴史や坪井川沿いにさかのぼる街裏の風情ある景観を紹介して、駅前に高層マンションを建設すればその周りも高層化してまちのよさを打ち消してしまうと、高層建築に頼ったまちづくりの問題点を指摘されています。  用地買収の問題では、午前中、進捗状況でのお尋ねがありましたので、あえて問題点をお聞きしましたが、具体的なお答えではありませんでした。民間と違って公共用地の取得の場合、その価格は公的な基準に基づくもので、民間同士であれば交渉次第ということもあるのでしょうが、そういうわけにはいきません。また、当然御承知とは思いますが、道路などとは違って公共施設の場合、強制執行にはそぐわないことを指摘します。  そして今後の買収においては疑惑が持たれないように公正に進めていただきますようお願いいたします。この用地買収の問題は、やはり問題点もあるようですので、都市整備委員会におきましても、ぜひ論議していただきますようお願いいたします。  今回の高層マンション建設は、用地費にしても建設にこぎつけるまでつぎ込まれる膨大な費用にしてもすべて市の負担で、一般の民間的な開発と比べれば民間事業者の費用負担は格段に安く、デベロッパーは濡れ手に粟の大儲けです。  一方で、市の負担は、年間6億円から7億円とも考えられる半永久的な維持費の後年度負担も含めれば、市の持ち出しは数百億円になっていきます。自治体が財政もその他のリスクも一手に背負い進めている都市再生の典型です。  そもそも総理大臣の諮問機関である経済戦略会議答申に基づく構造改革路線上の経済戦略の一つで、住民や国民の犠牲の上に大型の開発を進め、大企業やデベロッパーの儲けを保障しながら、東京一極集中を加速し、地方格差も拡大させてきたのが都市再生です。まちの魅力を形づくるのは暮らしの息吹です。国言いなりの全国どこでも同じという再開発ビル建設は、熊本らしさの点でも問題があると思います。このまちに生まれてよかった、住み続けたいと思えるような魅力あふれるまちを次の世代に手渡すためにも、住民参加、住民合意のまちづくりをしていかなければならないと思います。  それでは、続きまして熊本市の将来のまちの姿に大きくかかわります合併・政令市・道州制の問題についてお尋ねいたします。  熊本市は、富合町を初め、周辺町を合併して政令指定都市への移行を目指しております。政令指定都市の人口要件である70万人を達成するために、数合わせの無理な合併を繰り返し、背伸びをして政令市に移行することが本当に住民の幸せにつながるのでしょうか。  第1に、合併を繰り返して政令指定都市に移行することがばら色のように語られます。しかし、実際に政令指定都市にまいりまして直接話を伺うと、仕事はふえるけれども、それに見合った財源が来ないので大変苦労していると言われます。多くの政令市が中核市よりもはるかに財政状況が厳しいのはなぜでしょうか。これまで市長がさまざまな場で説明して来られましたように、いいことばかりではないように思います。権限や財源が豊かになるというのであれば、具体的な数値や事例などを挙げて御説明ください。  第2に、政令市移行の効果として、身近な区役所で必要な手続ができるので便利になると言われます。しかし、今のように周辺の町を合併しながら政令市へと移行する場合、周辺の町に区役所を置くことはできません。市内全域を見た場合にも、周辺町まで含めて区役所ができるから便利になると言えるのでしょうか。また、区役所ができてどういう点が便利になるのか、それは現行の市民センターや総合支所ではできないのでしょうか。  第3に、政令市になれば知名度がアップして、イメージもよくなり企業誘致も進んでくるといわれます。しかし、政令市になっただけでそんなに簡単に企業の誘致が進むのでしょうか。何を根拠にしてそのように主張されるのでしょうか。具体的に御説明ください。  以上3点につきまして、市長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  合併政令指定都市に関します3つの御質問にお答えさせていただきます。  まず1点目の権限と財源についてでありますが、本年4月に政令指定都市に移行いたしました新潟市の本年度当初予算の歳入によりますと、石油ガス譲与税、軽油取引税交付金、宝くじ発行収益金など約129億円が増額となっておりまして、歳出を上回る増収となっているようでございます。  本市が現状のまま政令指定都市になると仮定いたしますと、地方交付税、さらには臨時財政対策債、合わせまして約99億円、宝くじ発行収益金約24億円など、総額約140億円の一般財源が増額となるものと試算いたしております。  こうした財源と県から移譲されます都市計画決定の権限、国道3号、57号以外の国県道路の管理、小中学校の教職員の任免権などの権限を活用いたしまして、さらに本市独自のまちづくりを行うことが可能となると考えております。  これまでも申し上げてきたところでありますが、政令指定都市の実現は、そのこと自体が目的ではなく、魅力あるまちづくりを行うための手段であると認識いたしておりまして、財政基盤が強化されますことで、例えば国・県・市道の一体的な整備を行いますなど、予算を戦略的、効率的に配分できることが政令指定都市のメリットであると考えております。  2点目の区役所についてでございますが、実際に行政区の区割りや区役所の位置等を決定してまいります場合には、有識者等で構成いたします審議会を設置いたしまして検討を行っていくことになると思いますが、昨年4月に政令指定都市に移行いたしました堺市におきましては、合併した約3万8,000人の美原町の区域に区役所を設置されております。本市におきましても、今後、区役所の設置場所を定めてまいります際には、合併市町村の意向も伺いながら検討していく必要があろうかと考えております。  区役所の機能につきましては、税務の賦課に関係する事務や生活保護に関する事務など、現在の市民センター等で取り扱っていない事務もほとんどの政令指定都市の区役所では実施されておりますし、加えて、産業振興や建設関係などの部署を配置しているところもあります。市民主体のまちづくりをさらに進めてまいりますためには、都市内分権の推進が重要になってまいりますことから、住民の皆様の身近な場所で行政サービスを提供してまいりますために、必要な権限を区役所に移してまいる必要があろうかと考えております。  3点目の企業誘致についてでございますが、政令指定都市は、単に人口が集積したまちと、70万を超えればいいというものだけではなく、国から県と同程度の権限、財源を持つに値する大都市と認められた都市でございますことから、企業誘致におきましても、より促進しやすくなるものと考えております。  例えば、新潟市を例に挙げますと、合併前は、分譲面積の約7割が売れ残っておりました東港物流団地が完売したとのことでございますし、大手企業の中には、政令指定都市に出店候補地を絞っているところもございます。その他、世界有数の運輸業者フェデックス社は静岡市の政令指定都市移行を見据えて営業所を設立されておられます。  政令指定都市という手段を最大限に活用して、先ほど申し上げましたように、魅力と活力あるまちづくりを実現してまいりますことで企業の立地にもつながり、熊本市民の皆様が少しでも地元で働き、生活していける環境をつくっていくことも重要であると考えております。  いずれにいたしましても、本市のさらなる発展のために、政令指定都市の実現に向けまして今後も引き続き全力で取り組んでまいる所存でございますので、議員各位の御協力を何とぞよろしくお願い申し上げます。          〔16番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  御答弁いただきましたけれども、私なりに意見を申し上げます。  まず、財源問題ですが、政令指定都市の市長会、議長会が毎年まとめております大都市財政の実態に即応する財源拡充についての要望では、大都市の財政事情が大変厳しいということが切実に述べられています。  今年度版である平成20年度に向けての要望のこの添付資料を見ますと、先ほどの答弁にあった権限として移譲されてくる国・道府県道の管理は、必要経費が全体で3,182億円に対して、政令市の一般財源が2,526億円必要となっています。しかし、手当てをされる道路特定財源は1,571億円で、残りは市の持ち出しです。それに対する交付税措置も十分ではなくて、大都市の事務配分の特例に伴う財政需要に対する税制上の措置が不足していると説明しています。  そして、国・道府県道の財源不足は、市町村道整備に影響して、市町村道の改良率は55%、補装率は18%にとどまって、住民に一番身近な道路整備がおくれています。あわせて、国・県道の権限移譲には、それが建設されたときの借金もついてきます。また、政令市は、経常収支比率も悪化の一途で、平成17年度には90%を超えて、今後も財政運営はますます厳しくなっていくと予測されています。これでどうして財政基盤が強化されて、予算を戦略的に使えるなどのメリットと言えるのでしょうか。  この要望書の冒頭には、大都市においては、財政需要は増加の一途をたどっています。しかしながら、これらの財政需要に対して、都市財源は十分でない上、多額の借入金残高を抱えてその償還が将来にわたり大きな負担となるなど、財政運営は極めて厳しい状況にありますと述べられています。  区役所の問題でも、堺市では人口約3万8,000人の美原町に区役所を置いたとのことですけれども、そんなことを言えば、周辺町の方々はみんな自分の町に区役所が置いてもらえると誤解されるのではないでしょうか。今後の検討課題となる区役所設置について、平均して十数万人に1カ所の設置ですから、今の時点で周辺町に区役所を置くということは約束できないのではないかと思います。誤解を招くような説明こそが問題ではないでしょうか。
     最近は、政令市も量産体制で数こそふえてまいりましたが、合併前の人口が2万人から3万人、あるいは1万人以下の町に区役所を置いているところはどの程度あるのでしょうか。余りないと思います。  企業誘致につきましても、静岡市の例で御紹介がありました運輸業者フェデックス社は、政令市でなくとも、現在、地方都市では、新潟県長岡市、福島県郡山市、長野県塩尻市など、全国に営業所だけでも20カ所を超えています。新潟市で、東港物流団地が完売という説明ですけれども、これは新潟市がこの工業団地にだけ特別の補助をしており、長年売れ残っていたのが売れたのではなくて、11区画が平成15年から18年の4年間に順次販売されたものです。そのほとんどは、市内の事業者が区画を買っています。政令市としての知名度アップによる誘致効果とは言えないのではないでしょうか。  私どもは、この間政令市に移行しました各都市の調査をしてまいりました。新潟市は、政令市移行後の8年間で、総額1,445億円の新潟駅周辺整備事業を初めとした6,500億円もの公共事業推進計画をつくりました。これは公共事業が最も最盛期だった1992年から1999年の合併をした15市町村の合計額をはるかに上回るものです。  一方で、国民健康保険料の9%の値上げ、家庭ごみ有料化の検討や職員削減は5年間で660人、学校給食、保育園の民間委託と行政改革の嵐が吹き荒れています。  静岡市では無料パスの有料化も含めて、今多くの市が合併政令市移行の中で、開発優先、負担増、サービスの切り捨てを進めています。しかも、新潟市では、政令指定都市移行から半年もたたないうちに、巨額な投資を山のように盛り込んだ新市計画の見直しが提案されました。財政難から計画が大きく狂ってきているということです。  熊本市は、まちのにぎわい、中心商店街の歩行者通行量の減少、空き店舗の増加や、また長年そこで商売を続けてこられました人たちがやめて全国チェーン店がふえたために商店街の魅力が低下するなどのさまざまな課題を抱えています。  しかし、都市間競争にあおられて、大型再開発に依存して、熊本らしさを打ち消すようなまちづくりをしても魅力を高めることはできません。熊本の経済を支えている中小企業、地元商店街を応援して足元から元気になる熊本らしいまちづくりが大切です。  子供の医療費が無料、教育費の負担も少ない、高齢者に優しく、さくらカードも無料、子供たちや高齢者に優しいまちづくりを進めれば、だれでも熊本市に住みたいと思います。どれも政令市でなくてもできることです。国の進める自治体再編は、何が何でも自治体の合併を進めようとするものです。その理由は、将来的な国の財政支出を最小限に抑えて、財界の意向に沿って、社会保障、教育などの予算は削って、大企業の利益につながる都市再生という名の大規模プロジェクトに予算をシフトするためです。  また、アメリカの要求に基づく、軍備増強も進められています。そのための予算を確保するために、地方への財政支出も徹底して抑えるというのがねらいです。  また、道州制は、財界の地方制度再編の本命です。国が地球規模で大企業の利潤追求を支える役割であるのと同時に、内政においては大企業の儲けとなる大型プロジェクトを進めやすくするのに一番効率的な規模が道州制だからです。  先日、地元紙インタビューに答える形で、増田総務大臣が道州になって、国からの仕送りに期待するというのは目指す姿でないと言われておりましたが、これが政府の本音です。市長は、根拠のないメリットばかりをあげつらって、デメリットについては全くないかのように言いますけれども、これはただいま、るる申しましたように市民に大きな誤解を与えます。この問題では、議会内外におきまして引き続き論議してまいりますけれども、国の押しつけに追随するのでなく、住民が主人公の立場でぜひ取り組んでいただくことを重ねて要望いたします。  最後に、時間が過ぎておりますけれども、まちづくりについて要望いたします。  第1に、まちづくり条例の制定です。市内各地域での相次ぐマンション建設や携帯電話中継塔の建設、パチンコ屋、大型店の出店など、中心市街地を初めとする大型の再開発など、住環境を脅かす問題が次々と持ち上がっております。そういう問題に私も皆さんと一緒に取り組んでまいりました。青少年への悪影響や健康被害、地域の暮らしにさまざまな影響を与えます施設の建設による住環境の悪化から、住民生活を守るためにも、指導要綱から自治体の法令である条例へとバージョンアップするのは、今や全国的な流れです。ぜひ熊本市でも、住環境を守るためのまちづくり条例制定を進めていただきますようお願いいたします。  そして2つ目は電磁波問題です。ことし6月18日、WHOが極低周波電磁波に関する環境保健基準を発表しています。今回発表された基準は、電磁波が人体に及ぼす影響について述べた画期的なものです。今、全国的に見ましても、電磁波問題につきましては、福岡県篠栗町で、携帯電話中継基地局の設置に関する条例ができたり、岩手県の滝沢村では環境基本条例と基本原則に予防原則がしっかりと明記されています。本市においても、環境基本条例をレベルアップされまして、予防原則や情報共有、説明責任の原則、住民参加や協働の原則などを明記して住環境を守るための条例としてさらに改善させるようお願いいたします。  本日は、時間をいっぱいいただきましたが、予定を少々オーバーしたところです。今進められている改革の中で多くの方が苦しんでおられます。そういった実態を知っていただくならば、住民に一番身近な行政である市町村、熊本市が今何をしなければならないのか見えてくると思います。  日々、住民の皆さんと向き合い、その命を預かる仕事をしておられる職員の皆さんにとりましても、その汗が報われる行政となることを願ってやみません。引き続き、弱い立場にある方々に温かい手が差し伸べられるような熊本市になるように力を尽くす決意を申し上げまして質問を終わります。  長時間ありがとうございました。(拍手)       ─────────────────────────── ○磯道文徳 副議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  次会は、明13日(木曜日)定刻に開きます。       ─────────────────────────── ○磯道文徳 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                              午後 4時15分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成19年12月12日 出席議員 48名       1番   牛 嶋   弘        2番   磯 道 文 徳       3番   紫 垣 正 仁        4番   田 中 敦 朗       5番   重 村 和 征        6番   那 須   円       7番   上 田 芳 裕        8番   前 田 憲 秀       9番   原     亨       10番   澤 田 昌 作      11番   倉 重   徹       12番   満 永 寿 博      13番   大 石 浩 文       14番   高 島 和 男      15番   田 尻 善 裕       16番   上 野 美恵子      17番   東   美千子       18番   有 馬 純 夫      19番   三 島 良 之       20番   齊 藤   聰      21番   津 田 征士郎       22番   白河部 貞 志      23番   藤 山 英 美       24番   田 中 誠 一      25番   村 上   博       26番   東   すみよ      27番   日和田 よしこ       28番   藤 岡 照 代      29番   坂 田 誠 二       30番   下 川   寛      31番   田 尻 清 輝       32番   北 口 和 皇      33番   中 松 健 児       34番   佐々木 俊 和      35番   田 尻 将 博       36番   田 辺 正 信      37番   家 入 安 弘       38番   鈴 木   弘      39番   竹 原 孝 昭       40番   古 川 泰 三      41番   税 所 史 熙       43番   落 水 清 弘      44番   江 藤 正 行       45番   主 海 偉佐雄      46番   嶋 田 幾 雄       47番   益 田 牧 子      48番   上 村 恵 一       49番   西   泰 史 説明のため出席した者   市長       幸 山 政 史    副市長      三 嶋 輝 男   副市長      森 田 弘 昭    総務局長     寺 本 敬 司   企画財政局長   西 島 喜 義    市民生活局長   原   幸代子   健康福祉局長   谷 口 博 通    環境保全局長   宗 村   收   経済振興局長   岡 本 安 博    都市建設局長   松 本 富士男   消防局長     神 原 節 生    交通事業管理者  石 田 賢 一   水道事業管理者  東   軍 三    教育委員会委員長 黒 澤   和   教育長      小 牧 幸 治    人事委員会事務局長嶋 村 早 人   代表監査委員   濱 田 清 水    農業委員会会長  森   日出輝   財務部長     岡   昭 二 職務のため出席した事務局職員   事務局長     松 本   豊    事務局次長兼議事課長                                山 田 利 博   議事課長補佐   木 村 建 仁...